ベルリンのDDR博物館で東ドイツ時代を疑似体験:社会主義と市民生活のユニークな展示

こんにちは!はねうさぎです(@haneusagi_com)です。

DDR博物館は、特に歴史好きな方がベルリンを訪れる際には必見の観光スポットの一つです。

この博物館では、東ドイツ時代の社会主義の歴史や市民生活を、まるでその場にいるかのように疑似体験することができます。

身近な日常の一端から政治的な展示まで、ユニークなコレクションが訪れる人々を魅了しています。

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目次

旧東ドイツ生活を疑似体験できるDDR博物館とは

参照:DDR博物館公式ページ

DDR博物館は、旧東ドイツの生活や当時の東ドイツという社会主義国家の資料などを中心に展示が行われている、いわば、旧東ドイツのアーカイブ的なインタラクティブな博物館です。

東ドイツは壁と有刺鉄線で外界から守られ、内部は国家警備隊が警備していました。

しかし、社会主義政治下の生活、東ドイツの一般国民の日常生活はどのようなものだったのでしょうか?

その疑問に答えてくれるDDR 博物館は、1000平方メートルを超える敷地に45以上のテーマであなたの疑問に答えてくれますよ。

ベルリン観光に!DDR博物館のみどころ

東西ベルリンを分割し、東から西側へ亡命する人を防ぐために建設された「ベルリンの壁」

DDR博物館のDDRというのはDeutsche Demokratische Republik(ドイツ民主共和国)の略で、東ドイツが国家として成立していたときの名称の頭文字をとっています。

日本語では、「東ドイツ博物館」とも呼ばれています。

ベルリンは、位置的に東ドイツのエリアだったにもかかわらず、他の街とは違ってベルリン市内が離れ小島のように東ドイツと西ドイツに分離されていたことを知る方も多いでしょう。

西と東ベルリンの間には、有刺鉄線と壁で区切られていました。

展示内容は大きく分けて以下の3つのエリアに分かれています。

  1. 公共生活
  2. 国家とイデオロギー
  3. プレハブ建築の生活

インタラクティブな展示に加え、自由に移動できる当時の生活を可能な限り忠実に再現した5つの部屋から構成されるプレハブアパートメントを体験できます。

私達が現地に到着したときにはすでに長蛇の列がありました。

※調べてみたら、2016年ドイツの人気観光スポットTOP100で、36位と人気が高いことがわかりました。

一番の見所と言えるのは、旧東ドイツの人々の生活を見るだけでなく、疑似体験もできるようなインタラクティブな展示が豊富にあることです。

展示物に触れたり、当時の生活を再現した部屋に入ったりすることで、東ドイツの歴史と文化を深く理解することができますよ。

以下に、DDR博物館の見どころをいくつかご紹介します。

1. 社会主義時代の生活再現

東ドイツの一般家庭の部屋を再現した展示では電話の受話器を取ると声が聞こえてくる ©haneusagi.com

DDR博物館では、社会主義時代の典型的な東ドイツのアパートや日常生活が再現されています。

旧東ドイツの一般的な家庭のリビングルームやキッチン、バスルームの空間展示では、当時の人々の生活空間を感じることができ、使っていた食器や水まわりの道具なども実際に見ることができます。

社会主義を取り入れていた当時の東ドイツでは、おそらく、食料も物資も足りず、情報操作、監視などされているような生活で大変だったのではないかと思います。

しかし、ちょっとレトロでキッチュにも思えるお部屋の壁紙や、当時の方々が着ていた洋服、カラフルなプラスティックの食器などは「かわいいかも」と思いました。

キッチンやリビングルームの展示を通じて、当時の市民がどのように暮らしていたのかをリアルに体験できます。

東ドイツ時代のキッチン 参照:DDR Museum

また、DDR博物館では、当時の旧東ドイツでは一般的だった、ドイツ語でFKK(エフカーカー、Freikörperkulturの略)と呼ばれるナチュリズム(ヌーディズム)についての展示もあります。

マッパ全開でビーチバレーをして楽しむ当時の人々の巨大写真は、結構衝撃的。

閉鎖社会での自由への無制限の欲求を表現していたのか、現在でも旧東ドイツ側の友人たちに聞くと、自宅のお庭ではFKKでバーベキューをしたりしているという事でした(苦笑)

東西ドイツにおける性生活の比較も数字化されており、当時のデータも興味深いです。

2. 東ドイツ生産車の「トラバント」に乗ってみる

ベルリンの壁のアートにも描かれているトラバント ©haneusagi.com

東ドイツを象徴する車「トラバント」に実際に乗り込むことができます。

トラバントは「Trabi(トラビィ)というニックネームまである人気の車種で、可愛いフォルム。

DDR博物館に展示されているトラバントは、当時使用していたオリジナルのP601モデル。

旧東ドイツで生産されていたトラバントのドライビング・シュミレーターで当時の東ドイツの町中を走る疑似体験は見逃せません。

とても人気で、特に家族連れの方は並んでいました。

3. 旧東ドイツの政治・秘密警察シュタージ・プロパガンダの展示

DDR博物館では、一般市民の生活だけでなく、旧東ドイツの政治、旧ソビエト連邦とのかかわりなども説明されています。

書記長専用の執務室を再現した空間には大きなデスクや書類の展示、国民に相互監視を強いた国家保安官や政治犯の取り扱いについてなどが解説されています。

そして、東ドイツの秘密警察シュタージの展示も見どころの一つです。

シュタージがどのように市民を監視していたのか、その方法や道具を詳しく見ることができます。

シュタージの取調室や、盗聴室も博物館内では再現されていています。

当時の旧東ドイツでは、西側への逃亡を防ぎ、徹底的に人々を管理するため、一般市民を監視する体制がとられていました。

教育制度やプロパガンダの展示を通じて、東ドイツの子どもたちがどのように育てられ、国家のイデオロギーがどのように浸透していたかを学ぶことができます。

静かな口調や大声でのスローガン、あらゆる秘密の事柄や、ソ連の影響下で発展したマルクス・レーニン主義政党ドイツ社会主義統一党(SED)指導部の公式な宣伝などがあります。

ちなみに、SEDは、2007 年に、労働と社会正義党(WASG)と合併して「Die Linke」という政党が誕生し、現在まで続いています。

5. バーチャル体験

インタラクティブな展示やバーチャルリアリティ体験を通じて、東ドイツの市民が直面していた現実をより深く理解することができます。

子供たちのおもちゃやノートの展示、仕事で使っていたコンピューターや機械、作業着、政府機関の資料などがエリアごとに分けて展示されていました。

多数のインタラクティブなゲーム、幼稚園のインスタレーションなど、多くの展示は子供や若者向けに意図的に設計されています。

東西ドイツが統一されたのは1990年10月。

東西統一から30年以上が経ち、社会主義国家というと資本主義国で生活する自分たちには若干ネガティブなイメージもあったり、西ドイツ出身者からはジョークのネタにされたりする旧東ドイツの生活や国家思想。

ですが、30年でここまで変化を起こしたドイツと世界の民主主義思想に関して、何かこの博物館は訴えかけるものがある気がしました。

ベルリンのDDR博物館への行き方

DDR博物館はベルリン市内に位置し、アクセスも非常に便利です。ここでは、公共交通機関や徒歩でのアクセス方法について詳しく説明します。

1. 電車や地下鉄でのアクセス

最寄りの地下鉄駅は「Hackescher Markt」駅です。

Sバーン(S5、S7、S75、S9)やUバーン(U8)の路線を利用することができます。

ベルリン中央駅からですと、Sバーンの5番もしくはSバーンの7番に乗って、そこから2つ目のハッケシャーマルクト駅(Hackescher Markt)で下車するのが良いでしょう。

近辺にはショップやレストラン、「博物館島」もあるので、散策しながら行くのもオススメですし、博物館の後に川沿いを散策するのも良いですね。

駅からDDR博物館までは徒歩約5分です。

ハッケシャーマルクト駅(Hackescher Markt)からシュプレー川沿いにベルリン大聖堂方面に5分ほど歩いていくと、案内の看板が見えます。

そして、さらに川沿いをさらい歩くと博物館が見えます。

2. トラムでのアクセス

トラムも便利な交通手段です。「Hackescher Markt」停留所には多くのトラム路線(M1、M4、M5、M6)が停車します。

トラムを降りたら、地下鉄と同様にシュプレー川沿いを歩いて博物館に向かってください。

3. バスでのアクセス

バスを利用する場合も「Hackescher Markt」停留所が最寄りとなります。

バス路線100、200、N2、N5が停車するので、これらの路線を利用して博物館にアクセスすることができます。

4. 徒歩でのアクセス

ベルリン市内の中心部から徒歩でDDR博物館に向かうこともできます。

アレクサンダー広場(Alexanderplatz)からは約15分の距離で、観光を兼ねて散歩するのにちょうど良い距離です。

道中には他の観光スポットやショップも多く、散策がてら訪れるのもおすすめです。

5. 自転車でのアクセス

ベルリンは自転車での移動がしやすい街でもあります。

市内の自転車シェアリングサービスを利用してDDR博物館に向かうのも良いと思います。

博物館には自転車を駐輪できるスペースも整備されていますよ。

6. 車でのアクセス

車で訪れる場合、博物館周辺にはいくつかの駐車場があります。

ただし、市内中心部は混雑することが多いため、公共交通機関の利用をおすすめします。

ベルリンのDDR博物館は、どの交通手段を利用しても簡単にアクセスできる便利な場所に位置しています。

観光の合間に訪れやすい立地なので、ぜひ足を運んでみてください。

なお、展示は英語とドイツ語のみです。

英語がわかっても若干理解が難しい展示エリアもありました。

ドイツ語ができればベストですが、東西ドイツの背景や歴史の知識が若干ある方なら十分楽しめると思います。

ベルリン中央駅を拠点に観光するには、こちらの宿泊施設が良かったのでおススメです。

DDR博物館の開館時間と入場料

○開館時間
月曜日~日曜日
10am – 8pm
土曜日
10am – 10pm

○入館料
大人: 9,50 € 13.50€(2024年現在)
ディスカウント: 6,00 € 8.00€(2024年現在)
6歳未満の子供は入場無料
その他、グループ割引あり
※ベルリン・ウェルカムカードを使用したオンラインチケットには割引はありません。

※詳細は公式サイトでご確認ください
http://www.ddr-museum.de/en

ベルリンもいいけどミュンヘンの博物館も観光したい!という方はぜひ「ドイツ博物館」へGO!

以下の記事で紹介しています。

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この記事を書いた人

旅行、おいしいもの・ワインが大好きのドイツ在住40代。旅行、デザイン&アート、国際結婚ネタ、語学学習(英語・ドイツ語)のヒントをお届けします。20代後半にアメリカでインターン経験。現在はフリーランス翻訳家。ひょんなことから2017年7月11日より南ドイツ在住。干支と小動物風な行動により、幼少時に父親から「うさ」と呼ばれて育つ。その最愛の父は2021年に他界。気ままに書いてます~
プロフィール詳細は「はねうさぎ」をクリックしてね!
★TabiTabiさんに寄稿した「旅行記」
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