こんにちは!はねうさぎです(@haneusagi_com)です。
世界には、たくさんの美しい図書館がありますが、今まで行った中でダントツに圧巻された「ヴァルトザッセン修道院」の大聖堂と図書館。
図書館は有料でチケットを購入し、ツアーガイドさんと一緒にのみ、中へ入ることができるのですが、大聖堂は無料で、どなたでも入れますので、今日は、ヴァルトザッセン修道院についてお伝えします。
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ドイツの街・バイエルン州のヴァルトザッセンについて
ヴァルトザッセンという街を聞いたことがる・知っているあなたは、かなりのドイツマニアです(笑)
私もこの町のことは全く知りませんでした。
ヴァルトザッセンは、ドイツ・バイエルン州のオーバープファルツ地域にある小さな町ですが、チェコ共和国との国境が近く、チェコ西部への観光の際にドイツ人が立ち寄る街でもあります。
英語版ですが、Wikipediaがありますので、地図で場所を確認してみてくださいね。
人口は6750人(2017年時点)とかなり小さな町である事を想像できると思うのですが、「ヴァルトザッセン修道院」がある事で有名です。
【美しい修道院と図書館】ヴァルトザッセン修道院がとにかくすごい!
ヴァルトザッセン修道院は、修道女たちが共同生活し、神に奉仕している修道院です。
神聖ローマ帝国時代では、帝国修道院であったこともあり、「なんでこんな小さな町(村?!)に、こんな大規模な修道院が?!」と思うほど、美しく立派なバロック建築の修道院なのです。
始めの修道院の建物は1128年から1132年の間に建設され、1133年に完成しましたが、その後、戦争や革命などにより1556年と、1803年の過去に2回閉鎖され、その都度再建されています。
1863年に、残っていた修道女のひとりがこの修道院に、女子教育のための研究所を開設しました。
ヴァルトザッセン修道院の見どころ
ヴァルトザッセン修道院は、外観も素晴らしいのですが、見所は大きく分けて2つあります。
ひとつはバシリカ(教会)内部、もうひとつは図書館です。
※素晴らしいお庭がある、と聞いたのですが、行った時には閉まっている感じで、入れませんでした。
教会の全長は82メートル。
内装の装飾は、イタリア人のジョバンニ・バッティスタ・カルローネや、プラハ出身の画家ヤコブ・シュタインフェルス等ヨーロッパ各地からのアーティストが関わりました。
身廊には両側に礼拝堂とギャラリーがあり、一歩教会内に足を踏み入れた瞬間に「うわ~~!」という声にならない声が漏れてしまいました。
とにかく、美しすぎました・・・今まで見たバシリカの内装の中でもダントツに美しかったです!
礼拝堂もそうですが、側面のギャラリーも装飾も美しく、骸骨の装飾展示もされています。
骸骨は、ローマの地下墓地から移動され、金細工人であるアダルバート・エダーによって金銀宝石などで装飾されました。
はっきりとわからないのですが、10体あった装飾骸骨のうちのひとつが「聖バレンタインの装飾骸骨」と言われているそうです。
このバシリカは、ドイツ最大の地下室があるそうですが、私は地下へは行きませんでした。(一般人は入れないかもしれません)
「骸骨?!えーー?!」と思う方もいるかもしれませんが、ヨーロッパの教会や博物館に行くと、聖人のそういったものは割と展示されていて、コワいとか気味悪い、というよりも「神聖なモノ」として扱われていますので、ぜひじっくり見ていただきたいです。
また、青く彩られたパイプオルガンもとても美しく、私が訪れたときは平日だったこともあってか、地元をサイクリングして観光しているドイツ人が少し観光している程度で、ほとんどプライベート博物館(失礼!礼拝堂ですが、とにかく素晴らしく美しいので)状態!!
ゆっくりじっくり、その時の雰囲気を楽しむことができました。
豪華絢爛なのに、とても神秘的で、神聖な気分になる空間でした。
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ヴァルトザッセン修道院の図書館【要チケット購入】
教会とは別で「図書館」があります。
図書館は、1724年から6年にかけてバロックおよびロココ様式で建設されました。
こちらは、ドイツ語のツアーだけですが、5ユーロを支払えばガイドさんと一緒に中を見学できますので、ぜひ見ていただきたいです!
一言で言うと、「こんなに美しい図書館があっていいのか?!」と圧倒されました。
美しすぎます。
図書館ツアーは1時間ごとに開催されており、所要時間は約20分。
写真撮影は禁止されています。
修道院に隣接されているカフェレストランやお土産屋さんの入っている建物でチケットを購入することができます。
ツアー参加者は、全員ドイツ人でした。
見学途中で、ガイドの方が、私が明らかに外国人だったので「ドイツ語で大丈夫ですか?」と確認してくれ、「英語の方が嬉しいです」と答えると、英語の説明書きを印刷したものを渡してくれました。
歴史的な背景、キリスト教についての知識があった方がもっと楽しめ、理解が深まったと思いますが、私のように全く知識が無くても、図書館に配置された木彫りの彫刻柱、フレスコ画、歴史を感じる美しい空間は、一見の価値ありです!
木彫りの彫刻柱は全部で10体あり、人間の虚栄心、無知、そして自慢など寓意的な人物像を表現しているということです。
とても躍動感があり、丁寧にデザインされた彫刻で、感動しました。
そして、この図書館には6,000冊の書籍があり、そのうち4000冊は修道女たちのもので、2,000冊は、バイエルン州が所有する文書等とのことです。
2回目に修道院が閉鎖された時に、図書館には19,000の書籍があったそうなのですが、他図書館へ寄贈したものを除いて15,000冊の本の行方が分かっていないそうです。
この図書館にあるほとんどの本が宗教学の本だということですが、一番古い本は1554年のもので、きちんと文字印刷されているのだそうです・・・凄いです!
ご参考までに、日本の歴史では、1555に川中島の戦い・・・とかです。
完全に戦国時代です。
この時代の日本の文書、書物は、全部手書きなんじゃないでしょうか・・・印刷されているというのがスゴイです。
ドイツの小さな村・ヴァルトザッセンまでの行き方
ヴァルトザッセンは、チェコとの国境近くに位置していることから、少し不便な場所にあります。
一番のオススメは、レンタカーなどの車で行くことです。
ミュンヘンからは、電車ICEとREを乗り継いで、約3時間45分。
●ヴァルトザッセン修道院(と図書館)
【所在地】
Basilikaplatz 2
95652 Waldsassen
【Email】
info@abtei-waldsassen.de
バイエルン州の観光ホームページはこちらから(英語)
ヴァルトザッセン市のホームぺージはこちらから(英語)
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コメント
コメント一覧 (2件)
珍しくWaldsassenの地名を見ました。Waldsassenはどうなっているのでしょう?もう40年も前の1977年に約半年間この町にいたことがあります。
半年の間にこの町で日本人を見かけたことがないような頃のことです。
この教会の西、徒歩数分のHasthof Goldner Hahnという所に宿泊していました。このGasthofの居酒屋で、今はすっかり忘れてしまった片言のドイツ語で、夜な夜なビールをのみながらドイツ人と話していたのを思い出します。
今は鉄道がなく車でしか行けないようですがその頃はまだ2両連結程度の汽車がありWaldsassen BahnhofからWiesauという町まで出てMunchenや他の町へ出かけていました。
もう一度Waldsassenに行きたいと思いながらもう70歳を超えてしまっています。その頃の知人たちともいつの間にか音信不通になってしまっています。きっと大半の人はなくなってしまっているでしょうが。
大変懐かしい記事ありがとうございました。 Fujimoto
>FUJIMOTO HISAKAZU様
とても素敵なコメントをいただきましてありがとうございます!
私の両親も70歳を超えましたが、ドイツへ遊びに来ていますので、もう一度Waldsassenを訪れるのは無理ではないと思います。
先日、ドイツに来て19年という友人と話をしたのですが、現在私が住んでいる環境とは大きく違った過去の話を聞き、驚きました。
ましてやFUJIMOTO様が滞在していた1977年というのは、私には想像もできない時代です。そんな時代に夜な夜なドイツ人たちとビールを飲みながら話をしていたなんてカッコイイですね!
Hasthof Goldner Hahnをインターネットで検索したところ、まだあるようです。
https://www.pension-gasthof-goldener-hahn.de/
ちなみに、この記事に書いた修道院は近年修復されたようなので、とてもきれいになっているはずだと思います。