こんにちは!はねうさぎ(@haneusagi_com)です。
日曜日になると、ドイツの街並みはいつもと少し違った雰囲気に変わります。
スーパーを含むほぼ全部の店が閉まり、街の喧騒が和らぎ、人々は穏やかに過ごします。
この特別な日「ドイツの日曜日」を、ドイツ人がどのように過ごしているのか、どのような楽しみ方を見つけているのかをご紹介します。
日曜日は「何もしない日」とも言われることが多いドイツ生活ですが、実際にはその裏にある文化や伝統が、彼らのリラックスした生活スタイルを支えています。
この記事では、私がドイツに移住してから驚いた事も含め、ドイツ人の日曜日や休日の過ごし方についてお伝えします。
ドイツ人の休日における独特の文化
日曜日は何もしない理由
ドイツでは、日曜日は特別な日とされています。
この日は家族や友人と過ごすために、多くの人が仕事や忙しいスケジュールから離れ、ゆっくりと過ごすことを大切にしています。
また、キリスト教国であるドイツは、そもそも日曜日は教会に行く日であり、神をリスペクトする日なのだそうです。
どこかで聞いたことがある方もいるかもしれませんが、「アダムとイヴが禁断の果実を食べた罰として、神が人間に労働というものを課した」というキリスト教的観念が、ヨーロッパのキリスト教地域に「できれば労働はするべきではない」という考え方が広がったと言われています。
ですから、基本的な会社や企業勤めの人はお休みですし、スーパーも商店も薬局も、ショップも、駅の中やガソリンスタンドを除き、ほぼすべて営業していません。
「何もしない日」と書きましたが、その言葉どおり、多くのドイツ人の日曜日の過ごし方は、リラックスして、再充電するための日だと言えるでしょう。
法律と伝統が支える日曜日はドイツのリラックスデー
ドイツでは、日曜日は「Ruhetag(休息日)」と定められており、多くの商店やビジネスが営業を休止します。
小売店の営業時間について定める法律「閉店法 (Ladenschlussgesetz)」により、ドイツでは店の営業は、20時以降と日曜日・祝日は営業が禁止となっているのです。
この法律は、労働者が十分な休息を取るために設けられたものであり、地域社会全体に休息の重要性を浸透させています。
また、ドイツの伝統文化も日曜日の静かな過ごし方を支えています。
ドイツ人は、教会に行ったり、家族と一緒に食事をしたり、自然の中でひたすら散歩を楽しんだりするのが一般的です。
このような法律と伝統が融合することで、ドイツ人にとっての日曜日は心身ともにリフレッシュできる貴重な一日となっています。
典型的なドイツ人の週末の過ごし方
【自然大好きなドイツ人】自然散策とピクニック
ドイツ人にとって、週末は自然と触れ合う絶好の機会です。
多くの人が美しい森や湖、山々に出かけ、ハイキングやサイクリングを楽しみます。
特に春や夏には、緑豊かな景色を満喫しながらの森や公園でのピクニックが人気です。
ドイツの自然公園や保護区は整備が行き届いており、家族連れや友人同士でリラックスした時間を過ごすのに最適です。
ピクニックの定番メニューは、地元のパンやチーズ、サラミやハム、スティック状のきゅうりや人参、トマトなどの野菜、果物。
自然の中で過ごすことで、心身ともにリフレッシュすることができると信じてやまない人たちです。
【サイクリングや散歩が大好きなドイツ人】休日はひたすら自転車や散歩
とにかく、ドイツ人はサイクリングや散歩が大好きです。
ブラブラ目的もなく歩く(散歩する)ことを意味するドイツ語(Spaziergang)まで存在するほどです。
公園や河川敷などでは、自動車進入禁止のサイクリング用レーンや、歩行者専用の歩道がたくさんあるドイツ。
人々が、サイクリングや散歩を安全に楽しめるような配慮がなされているのは良いことです。
この、整備された専用パスの効果もあってか、晴れた週末ともなれば、ちょっとした自転車の「渋滞」も見受けられるほどです。
自転車専用レーンは、遠くの街までつながっていることも稀ではなく、20キロ、30キロ~50キロ…とひたすらサイクリングを楽しむドイツ人も多いです。
また、日本のシニア層も元気な方が多いですが、ドイツ人シニアもかなりアクティブ!
老夫婦でサイクリングを楽しむカップルも多く見かけるのが、ドイツの興味深いところかもしれません。
実際に、はねうさ夫も、カップルでサイクリングを楽しむことに憧れていたようで、私がドイツに引っ越してくる前から自転車を購入し、一緒にサイクリングをするのを楽しみにしていました。
私にとっては、サイクリングは楽しいと思えないので、はねうさ夫は悲しがっています(苦笑)
また、サイクリングしながら、小さな町を回って休憩にワインやビールを飲んでいる人も見かけます。(日曜日でもレストランやカフェは開いています)
自動車を運転する場合よりは、自転車のほうがお酒を飲めるという考えなのでしょうか(本当は、アルコール%何ミリ以下と規定があるようですが)、サイクリングの後はビールを楽しみにしているドイツ人は多いと思います。
また、ドイツ語学校に通っていた時に、日曜日にお店が全て閉まる事に関して「不便」と回答したクラスメートは、アメリカや南米、アジアからの生徒だったのに対して、ドイツ以外のヨーロッパ出身の子たちは「日曜日が休みなのは良い事。家族の時間が持てるし、お金を使い過ぎずに節約できることが良い」と回答している人が多く、興味深かったです。
週末はショッピングや食べ歩きなどへ行ってお金を使いたい日本人の私は、「日曜日はお金を無駄に使わずに良い」と言ったクラスメートの言葉に驚いたのでしたw
文化の違いと言えばそれまでですが、考え方を変えると同じものでも違く見えることが面白いですね。
【日光が大好きなドイツ人】休日は公園等でゴロゴロ
私はドイツバイエルン州のワイン産地で有名な地域に住んでいます。
この地域には海がなく、日本人の私にとって、海から遠い場所に住むのは、結構勇気のいる選択でした。
ドイツに海が無いわけではないのですが、ドイツ北部にしかなく、バイエルン州には無いので、まず距離的にちょっと海やビーチに行って遊ぼう、と言うわけにはいきません。
じゃあ、どこへ行くか?!
ドイツ南部で暮らす人々にとっての水遊びの場としては、まず、湖があります。
そして川があります(笑)
湖の周りを公園のように整備し、トイレやシャワー、着替えるための脱衣所、カフェを併設したような場所が点在しています。
また、その湖の水質などについても看板に表示されていたりするのですが、一見そんなにきれいには見えません。
以前、アメリカのマサチューセッツ州に住んでいた時は、ボストン北部やケープコッドのビーチへ遊びに行ったりしましたが、美しい湖も結構ありました。
ですから、湖そのものに抵抗があるわけではないのですが、私の今住んでいる近所の湖は、あまりきれいには見えません。
また、ドイツ人は人によっては川で泳ぐ人もいますが、私にはかなり抵抗があります。
普通に、見た目は東京の多摩川みたいな感じの茶色い川なのです!
そして、ドイツ人は、肌寒い曇った日でも、ビキニ姿になり、湖で泳いだり、公園や自宅の庭にビーチチェアーを設置し、日光浴したりしています!(驚愕)
一番衝撃的だったのは、特に若者に多いのですが、川や湖に行くわけでもなく、河川敷や公園の芝生の上で水着になり、まるでビーチがそこにあるかのように、読書したり日光浴したりデートしたりしていることです。
若者は、遠出したりしてバケーションに行くのが金銭的にきついのかもしれませんが、ビキニ姿で公園でピクニックデートしている姿には、いつも笑いをこらえるのに必死です。(←はい、完全にバカにしてますw)
そして、たまにトップレスの方(または全裸の方)もいらっしゃいます!驚
家族との時間を大切にするドイツ人
ドイツ人は家族との時間を非常に大切にします。
週末には家族が一緒に過ごすことが重視され、共に過ごす時間を楽しむべきだと考えるドイツ人は多いです。
例えば、一緒に食事をしたり、ボードゲームをしたり、映画鑑賞をしたり、ハイキングへ行ったり(ここでも!)、お散歩へ行ったり(ここでも!)と、家族全員が参加できるアクティビティが人気です。
実際、私もドイツに引っ越してきたときは、2年間ほど、毎週末義理両親の家に泊まりに行っていました。
自分が独立心が強いことや、私の日本の家族は年に数回しか会わない家ので、かなり驚き、それと共に自分の時間が全くかなったので、気が狂いそうでした。
義理両親は、毎週末、私とのアクティビティを考えてくれていたのですがそれも日本人嫁としてはキツかったです….ひとり時間が持ててからの嬉しさを爆発させた記事は以下を読んでみてください。
ドイツでは伝統的に日曜日に家族全員が集まり、大きな食卓を囲む習慣があるようで、週末は皆で集まって食事をします。
こういった時間は、ドイツ人にとっては家族の絆を深め、日々の忙しさから解放される大切なひとときのようです。
さらに、家族で教会に行く家庭もあるようですが、近年は教会へ毎週通う若者はほとんどいません。
基本的な概念としては、日曜日は信仰と共に家族の結束を強める時間とみなされていたようです。
【週末は皆でBBQ】やはりドイツ人はビールにソーセージがお好き?!
ドイツ人が、家族と過ごすお天気の良い週末によくやるのが、バーベキューです。
バーベキューに関しては、ドイツに限らず、アメリカでも日本でも、フランスや他のヨーロッパでも同じかもしれません。
土曜日の午前中にスーパーへ買い出しに行くと、いつもより大量のお肉セレクションが並んでいることが多く、皆がバーベキューの食材を買い出ししていることがうかがえます。
また、大抵のドイツのスーパーにはお肉屋さんが入っていて、サラミやソーセージの他、通常のお肉も少量の(または大量の)グラム単位で買ったり、特別なリクエストを受け付けたりしてくれます。
土曜日には、そのお肉屋さんで注文するにも長い列ができます。
ドイツでは、一軒家の場合はほとんどの方がお庭を持っていて、そこにテーブルと椅子がセッティングされており、天気の良い週末は外で食事をする人が多いようです。
レストランでもテラス席はいつも大人気で、テラスに座りたい場合には予約が必要だったりもします。
日本と逆のような・・・
日本人はあまりレストランの屋外で食事をしたがりませんよね、日焼けや虫の問題でしょうか。
晴れた日の週末に、近所を散歩すると、どこの家でもバーベキュー用のグリルが外に出ており、外でワインを飲みながら家族や友人と食事している姿を見かけました。
ちょっとかわいいですw
冬が長いドイツでは、一時でも日光に当たっていたいのかもしれません。
ドイツ人の週末の過ごし方:フリーマーケット巡り
ドイツ各地には多くのフリーマーケットが存在し、それぞれに独自の魅力があります。
フリーマーケット巡りは、ドイツの週末の楽しみ方の一つとして挙げられます。
興味のある方は、ぜひ近くのフリーマーケットに行ってみましょう。
大きな町でなくとも、ポスターなどの張り紙がしてあり、近所のスーパーの駐車場でマーケットが開催される場合もあります。
買い物だけでなく、販売者の人々との交流や雰囲気を楽しみながら、楽しい日曜日を過ごすドイツ人は多いです。
ドイツ人がフリーマーケット好きなことに関しては、別記事に書いていますのでぜひ参考にしてみてください。
ドイツ人の日曜日の過ごし方:日曜日は「何もしない日」
ドイツの日曜日は、日によっては、道に人が歩いていないこともありますし、電車やバスも、平日に比べると運行スケジュールが激減します。
いつもは渋滞する道も、車が走っていません!
はねうさ夫曰く、そもそもは、日曜日は教会に行く日であり、神をリスペクトする日らしいです。(しかし教会になぞ行かない彼・・・汗)
だから、掃除機をかけたり日曜大工したり大きな音を立てるような作業は、本来は日曜日にしないのが暗黙の了解のご近所付き合いのマナーなのもドイツのひとつのユニークな習慣です。
正直、始めはこの「何もしない日曜日は意味があるのか?!」と思っていたのですが、思ったより快適で、個人的には良いコンセプトだなあと思います。
ちなみに、日曜日でも観光スポットのお店や一部のレストラン、カフェなどは営業していますので、週末にご飯作りたくないなあ~というドイツ人は外食しています。
ですので、天気の良い日は、ほとんどのドイツ人は、サイクリングしたり、湖に行ったり、公園に行ったり、家のお庭で読書したりして過ごします。
私の義理母は、晴れた日に私が家の中でパソコンしたり本を読んでいたりすると、「なんで外でしないの?!」と驚きます。
今朝は、街でコンサートがあり、無料だという情報をゲットしたので、ミニ・オーケストラを聞きに街まで自転車でいってきました。
このミニ・オーケストラは、市民グループで結成されていて、おそらくほとんどの方は何かしら別の仕事を持っていたり、学生さんだったりするようです。
全体的な出来上がりとしては、正直以前私が住んでいた世田谷区の「下高井戸の秋の街角コンサート」のオーケストラの方が数倍上手でしたが、お天気も良く、屋外のロケーションも良く、演奏を楽しむことができました。
ドイツと日本の全体的な休日の過ごし方を見ながらふと思うところがあります。
それは、2016年の国の国内総生産(いわゆるGDP)は、日本は世界で第3位ですが、実はドイツは日本に次いで4位ですが・・・
ドイツでは毎週日曜日は「何もしない日」であり、ドイツ企業での有休取得日が日本よりも多いことや、日本社会での長時間労働や残業時間を考えると、ドイツが日本を抜いてGDP第3位になったというのは生産性の高さを物語っているのかもしれません。
日本では今、働き方改革がニュースになることも多々ありますが、働き方に関してはドイツ人から得られるヒントがあるような気がします。
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