こんにちは!はねうさぎです(@haneusagi_com)です。
昨日は外国人局(Ausländerbehörde)で滞在許可証(Aufenthaltserlaubnis)を申請してきました。
外国人局、と言っているのはいわゆる移民局のことで、イミグレーションオフィスです。
ドイツに入国してから早3週間、到着後すぐに住民登録を行い、その足で外国人局へ申請フォームをもらいに行っていました。
これが約2週間前。
そもそも、申請フォームをウェブサイトからダウンロードできないのか電話で問い合わせていたところ「移民が多いから簡単にウェブサイトからダウンロードできると申請があふれてしまう。取りに来てください」と言われました。
郵送もできないのか質問すると、やはり「直接取りに来い」との事。
住民登録をはねうさ夫の実家でしているため、住んでいる町とは別管轄の外国人局まで申請フォームを取りに行くことになってしまいました。
ただし、なぜか郵送はできないと言われた申請フォームが、外国人局にフォームを取りに行った日に郵便で届いていました…。
謎が深まるドイツ外国人局。
ドイツのお役所は予約制:もちろん外国人局も
ベルリンやフランクフルトなどの大きな町の外国人局のシステムはわかりませんが、私が行った外国人局はバイエルン州のKitzingen(キッツェンゲン)という街。
10年ほど前まではアメリカ軍基地があったらしく、栄えていた街らしいですが、基地が撤退してからは町は衰退模様。
ただし、教会などはとても美しく、ちょっとした街歩きを楽しめそうです。
このKitzingen(キッツェンゲン)の外国人局では、フォームをその場で記入して提出、ということはできません。
フォームを受け取り、申請日時を担当者と決定します。
私たちは8月1日の朝10時半にアポを打診されたので(この日時が最短とのことでした)、その日までに申請フォームに必要事項を記入し、私のパスポート、日本での結婚証明書とパスポート用サイズの写真(ドイツのパスポートを申請するわけではありませんが、滞在許可証申請には正式な写真が必要とのことでした)をそろえて持ってくるように言われました。
婚姻登録の時もそうだったのですが、ドイツのお役所では、事前にアポイントを取ってその日時に行くことが多いように思います。
住民登録の時は予約なしで窓口まで行き、順番まで待って登録ができました。
アポが必要な場合と不要な場合があるのかもしれません。
緊張の瞬間?!ドイツの外国人局で滞在許可を申請する
ドイツでは、「担当者によって言っていることが違う」という噂はよく聞いていたので、感じのいい人にあたるといいなあ~と願っていました。
ところが、強面の険悪ムードたっぷりのおじさんが担当に。
はねうさ夫も「あの担当者は雰囲気が悪い。僕たちの申請を億劫に思っているみたい」とのこと。
ですので、申請の日は若干2人とも緊張していました。
何か言われたときのために、はねうさ夫のパスポート、税金支払い証明書(これで収入を証明できるため)、ドイツ語翻訳+アポスティーユ付き日本の両親の戸籍謄本も持っていきました。
心配していたのは「A1」と呼ばれるドイツ語能力を証明する試験の合格証を求められるかどうかでした。
「A1」というのはドイツ語レベルでいう初心者の分類。日常生活の場面での簡単な質問や指示、話、留守番電話のメッセージやアナウンス、短い会話を理解することができるくらいの語学レベルです。
電話で問い合わせたときには、申請者が日本人の場合はA1の証明は不要と言われていたのですが、他の州などに住んでいる方の話やブログを読むと、いざ申請に行ってみたら話が違っていた、ということもある模様。
念の為、申請フォームの一番最後にある「ドイツ語能力について」のところは空白にして持っていきました。
結果から言うと、全く問題なかったです。
担当のおじさんは、申請フォームの各項目を確認しながら、写真を受け取り淡々とパソコンへの入力を進めていきます。
はねうさ夫の収入に関しても「あ、プライベート保険に入ってるんだ。じゃあ、収入は問題なしだね」の一言で終わったそうです。
ドイツでは、日本の国民健康保険のようなシステムがあり、基本的に国民全員が保険に加入することになるのですが、高所得者だけ保険会社が提供するプライべート保険に加入しているケースが多いためです。
ドイツ語能力に関しても、A1どころかそもそも話せないので「Ich habe keine deutschen Sprachkenntnisse. (I do not speak German) にチェックが入れられ、このエリアでの語学学校のリストを渡されました。
同時に、滞在許可証に関してのハンドブック(ドイツ語と英語)を渡され、読むようにと言われました。
滞在許可の条件はドイツ語を勉強し一定のレベルを証明する事
面白いのは、ドイツ国内の語学学校であればどこに住んでいようとお好きな語学学校に行って良い、とのことでした。
私たちは、諸事情あって住民登録住所と実際に住んでいる場所が離れていることもあり、近所の語学学校に通うように言われたらどうしようか、と心配していましたがまったく問題ありませんでした。
さらに面白いのは、その外国人局のおじさん曰く「正直、行きたくなければ別に語学学校に通わなくても良い、ただし、婚姻によって滞在許可を申請している人の場合は3年以内にB1レベルのドイツ語能力を証明する必要があるから、3年以内にB1テストに合格すれば良いよ」とのことでした。(笑)
B1レベルのドイツ語能力と言うのは「明瞭な通常のドイツ語であれば、仕事や趣味や生活など日常的な事柄についてのドイツ語の発言や文章が理解できる」というレベルらしい。英語で言うintermediate levelのことでしょうか。
仮に3年以内にB1レベルのドイツ語能力を証明できない場合には、滞在許可申請を毎年(1年に一回)行う必要があるとのことでした。
究極の話をすると、たとえドイツ語が話せなくても申請費用と労力を払えばドイツに滞在できるってことなのではないかと思います。結婚の威力ってすごいなあ~。
また、滞在許可証の申請と同時に、労働許可の申請も行いました。
その場でプリントアウトした労働許可証の代わりになるようなものをいただきました。
したがって、本日から正式にドイツ国内で働くことができます。
最後に手数料の100ユーロをおじさんの事務所と別の場所で支払い手続き完了!滞在許可証は約3週間でできるそうです。
カードができたら郵便で連絡してくれるとのことで、その時に私の健康保険加入証明証を提示する必要があると言われました。
1時間もかからず申請が完了し、後半はおじさんも鼻歌を歌いながら申請手続きを行うなど、険悪ムードも緩んでほっと一安心しました。どうやら、他の移民の方々の申請の場合はとっても複雑なケースもあるようで、日本国民の信頼性とお互いに初婚だったことなどもあり、すんなりと手続きが終了しました。
ベルリンやミュンヘンなどの都市部では、申請当日でもかなりの時間待たされることや、手続きまで数か月と言われるなどかなり申請に疲労困憊する方もいるようですが、田舎街の外国人局で滞在許可申請は待ち時間もなくスムーズ!
先に田舎町で住民登録してから住みたい街に移動するって言うのも良いかもしれません。
ドイツの「社会融合講座(Orientierungskurs)」について
ちなみに、日本語で書かれた「社会融合講座に関する通達」という書類をもらいました。
「社会融合講座」とは、ドイツの移民、難民に課せられた講座で以下の事について学びます。
- ドイツの法制度、歴史、文化
- ドイツにおける権利と義務
- ドイツ社会で共に生きる形態
- ドイツで重要な価値観、たとえば、宗教の自由、寛容、女性と男性の平等。
そして 最終試験 「ドイツでの生活(Leben in Deutschland)」に合格する必要があります。
書類によると・・・
「社会融合講座とは、600授業時間の語学学習と60授業時間のオリエンテーションから成り立っています。語学学習は100の授業時間ずつに分かれており、最初の300時間の授業が基本語学学習で、それに続く300時間の授業が上級語学学習となっています。
オリエンテーションでは、ドイツでの生活についての情報が伝えられ、ドイツという国の法秩序、文化及び近代の歴史が教えられます。」
以前からこのオリエンテーションを含む語学の授業が義務ずけられていたのかは不明です。
だた、おじさん曰く、日本からの移民(移住者)の場合は問題ないが、中東やアフリカ諸国などからの移民に関しては「ドイツでは男女の権利は平等にある」、「一夫多妻制ではない」、「選挙と民主主義政治について」などの授業が義務付けられており、このような授業で移民の方々は「へえ~~~~?!!」とびっくりするのだそうです。
まだまだ知らない世界があるんだな~と勉強になります。
ちなみに講座参加費用は1授業時間につき1.20ユーロだそうです。
安いよねえ~。
さらに終了テストに合格し、返済申請をすると、連邦移民・難民局が、支払われた授業費用の50%を返還してくれるらしいです!
はねうさ夫が、外国人局のおじさんに「以前東京で日本語の10時間講座を1週間受けたことがあるが、10時間で300ユーロだった」と言ったらかなり驚いていたそうです。
ドイツの税金、ダテに高いだけではありません。
ちゃんと使われているんだなあ!と感じました。
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