ドイツの一部の地域だけが祝日になる8月15日の聖母マリア被昇天祭(Mariä Himmelfahrt)とは?

こんにちは!はねうさぎです(@haneusagi_com)です。

南ドイツのバイエルン州在住の私。今回は、ちょっとドイツでも複雑な祝日のお話です。

はねうさ夫に「カレンダーにある8月15日の祝日は何の日なの?」と尋ねると、「聖母マリアが天国に行った日」とのこと。

ドイツの祝日の多くはキリスト教に関連したものが多く、一般的な日本人にはなじみのない祝日やイベントも多くあります。

もちろん自分がクリスチャンならもう少し理解度が高まるかもしれませんが、そうでない私としては「??!!」な事しかありません。

この記事では、聖母マリア被昇天祭(Mariä Himmelfahrt)の歴史的背景、宗教的意義、そして地域ごとの祝い方についてご紹介します。

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目次

聖母マリア被昇天祭(Mariä Himmelfahrt)とは

インスブルックのカトリック教会 ©haneusagi.com

聖母マリア被昇天祭(ドイツ語でMariä Himmelfahrt)とは、キリスト教の中でもカトリックに特化した記念日です。

聖母マリアがその人生の終わりに肉体と霊魂を伴って天国にあげられた事を記念する日でです。

聖母マリア昇天祭の起源と初期の歴史

聖母マリア被昇天祭(Mariä Himmelfahrt)は、聖母マリアが天に昇天したことを記念するカトリック教会の祝日であり、毎年8月15日に祝われます。

この祭日は、聖母マリアが死後に天に昇ったとされる事実を祝うもので、キリスト教の重要な教義の一つです。

イエス・キリストは自身で昇天したのですが、人間であったマリア様は被昇天、つまり天に上げられたという事です。

この祭日の起源は、初期キリスト教時代にさかのぼります。

聖母マリアの死後や昇天に関する信仰は、4世紀にはすでに存在していたとされますが、当時はまだ正式な祝祭日としては定められていませんでした。

カトリックのイベントという事で、ドイツ国内だと、カトリックが多い州が祝日となっているようです。

聖母マリア被昇天祭が正式な祝祭日として確立されたキッカケ

聖母マリアの昇天に関する信仰が広まり、教会での典礼が増える中で、5世紀には既にいくつかの地域でこの祭日が祝われていたことが記録されています。

しかし、正式に教会のカレンダーに組み込まれるようになったのは、6世紀以降のことだと言います。

正式な祝祭日としての確立は、8世紀の終わりから9世紀の初めにかけて行われ、8月15日という日付が広く受け入れられるようになりました。

この日付は、古代のローマの祭りや暦の伝統と重なる部分があるため、受け入れられやすかったと考えられています。

教会の認定と発展

聖母マリア被昇天祭は、1950年に教皇ピウス12世によって正式に教義として認められました。

教皇は、この祭日が信仰の重要な一部であり、聖母マリアの天への昇天が教会の教義の中心に位置付けられるべきだと宣言しました。

この宣言により、祝日としての地位がさらに強化され、世界中のカトリック教徒によって広く祝われるようになりました。

文化的影響と聖母マリア被昇天祭の現代の意義

聖母マリア被昇天祭は、宗教的な意義だけでなく、地域の伝統や文化にも深く根付いています。

祭りや行事を通じて、信者たちは聖母マリアの神聖な存在を称え、家族やコミュニティとの絆を深める機会を持つことができます。

このように、聖母マリア被昇天祭は、初期キリスト教の信仰から現代に至るまで、長い歴史と深い意味を持つ重要な祭日であり、キリスト教徒にとって大切な祝祭です。

カトリックが多いオーストリアやフランス、マルタなどの南ヨーロッパでは、この聖母マリア被昇天祭の8月15日は、国の祝日となっています。

ドイツでは、バイエルン州の一部とザールラント州が祝日となります。

ドイツのカトリックに関わる祝日にするかどうかの決め方がスゴイ

バイエルン州の州都ミュンヘンの市庁舎 ©haneusagi.com

面白いのは、祝日になるかどうかの決定についてなのですが、バイエルン州の場合その市町村の信仰人口の割合で決めているそうです。(by はねうさ夫説)

ホームページによりますと、「バイエルン州統計局は、祝日法第1条第3項に従って、どのコミュニティに適用されるかを決定します」とのことで、国勢調査をもとに、住民のカトリックの割合で祝日かどうかを決めているとの事です。

その市町村の人口の60%以上がカトリックの場合には祝日となります。

「バイエルン州の一部が祝日」と書いたのはそういった理由からで、現在、聖母被昇天の日はバイエルン州の 1,700 を超えるコミュニティで祝日となっています。(参照:https://www.mdr.de/religion/religion/wo-ist-mariae-himmelfahrt-feiertag-datum-ursprung-bedeutung-brauchtum-112.html

例えば私の住んでいる地域では8月15日は祝日なのですが、例えばニュルンベルクなどは祝日ではないとのこと(驚き)。

2024年のバイエルン州で8月15日が祝日となる地域に関しては以下の地図をご参考にしてください。

参照:www.statistik.bayern.de

ドイツの祝日は先日も書いた「日曜日は何もしない日」と似ていて、(くわしくは「日曜日は「何もしない日」。ドイツ人の週末の過ごし方」をどうぞ)ほとんどのお店も閉まってしまうので買い物には行けません。

ただし、マリア昇天祭ような一部の地域だけ祝日の場合は、私の住む地域は仕事も基本的にお休みなので、例えばフランクフルトに行ってショッピングを楽しむ!なんてこともできるわけで、少し不思議な気分です。

聖母マリア被昇天祭(Mariä Himmelfahrt)の祝い方と行事

ザルツブルク大聖堂 ©haneusagi.com

聖母マリア被昇天祭は、カトリック教会において非常に重要な祭日であり、各地の教会で特別な典礼とミサが行われます。

カトリック教会での典礼とミサ

この祭日は、聖母マリアの天に昇天したことを祝うもので、ミサの中で聖母マリアに対する感謝の祈りが捧げられます。

  • 典礼の内容: 典礼では、聖母マリアの昇天の神秘が祝われ、特別な聖歌や祈りが捧げられます。聖母マリアの特性や業績についての説教が行われ、信者たちはその教えを再認識します。
  • ミサの特徴: ミサは華やかに装飾されることが多く、聖母マリアを称える特別な祈りが捧げられます。典礼の中心となるのは、聖体の奉納であり、信者たちは聖体を通じて神聖な祝福を受けます。

地域ごとの祭りや行事

聖母マリア被昇天祭は、地域によって様々な形で祝われ、その地域の文化や伝統が色濃く反映されています。

フランスでは、おびただしい数の礼拝場所がマリアに捧げられ、聖母行列が開催されたり多数の巡礼者が有名な聖堂を訪れたりするそうで、一大イベントのようです。

在日フランス大使館のサイトによると、「フランスではクリスマス、昇天祭、諸聖人の日とともに4つのカトリックの祝日に数えられます」とのことなので、かなり重要な祝日のようなのです。

  • 伝統的な祭り: 一部の地域では、聖母マリア被昇天祭に合わせて伝統的な祭りが行われます。これには、音楽やダンス、地元の料理が楽しめるフェスティバルが含まれることもあるようです。
  • パレードと行列: 多くのカトリック圏の地域では、聖母マリアの像や聖遺物を運ぶ行列やパレードが行われます。これらの行列は、神聖な雰囲気を演出し、信者たちが一堂に会して祝う場となります。
  • 特別な儀式: 一部の地域では、特別な儀式が行われることがあります。例えば、聖母マリアの像を飾りつけたり、ハーブを奉献したり、灯りを灯したりすることで、祭日の神聖さを表現します。また、地元の教会で特別な祝福を受けることもあります。
  • コミュニティイベント: 小さな町や村では、コミュニティイベントが開催されることがあります。これには、バザーや料理教室、聖母マリアにちなんだアート展などが含まれ、地域の人々が一緒に楽しむ機会となります。
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