こんにちは!はねうさぎです(@haneusagi_com)です。
バイロイトは、バイエルン州の北部・フランケン地域の3つの行政区の中の一つ、オーバーフランケン行政管区の郡独立市です。
ワーグナーの音楽祭で世界的に知られており、この音楽祭のためだけに、アメリカから遊びに来た友人もいるほどです。
今回は、その「バイロイト」へ日帰りで行って街歩きをしてきましたので、2018年に再オープンした、ユネスコ世界文化遺産登録の「バイロイト辺境伯歌劇場(Markgräfliches Opernhaus)」についてレポートしたいと思います。
バイロイトってどこ?ドイツの街バイロイトについて
バイロイト(Bayreuth)は、ドイツ・バイエルン州北部の都市で、ニュルンベルグの北東に位置しています。
2018年時点での人口は、約75,000人で、日本で言うと熊本県熊本市と同じくらいと考えてみるとイメージがつきやすいかもしれません。
私の住む場所から約160Kmは慣れていることは先ほど書きましたが、「フランケン地域」は結構広いので、訪れる場所によって、街や雰囲気、人も違ったりして少し驚きます。
バイロイトは、中世の時代から、司教や貴族ゆかりの地として発展を遂げ、宮殿、宮殿付属教会などが建設されました。
また、オペラやクラシック音楽ファンで知らない人はいない、世界的に有名な「リヒャルト・ワーグナー音楽祭」が開催される場所でもあり、毎年その音楽祭の時期には世界中から旅行者が訪れる華やかなイメージのある街でもあります。
死ぬまでに体験してみたい!?華やかなバイロイト音楽祭
以前、ヴュルツブルクのレジデンツへ行った時に、日本人のご夫婦にお会いして少しお話したことがあります。
聞けば、バイロイトでワーグナー音楽祭へ行って、その足でヴュルツブルクへ観光へ来たという事でした。
日本人にも絶大な人気を誇り、ある日本発着のパッケージツアーは、おひとり様100万円というプランもあるほどなのだとか!(驚)
今年2020は残念ながらコロナウイルスの影響で中止となりましたが、通常はバイロイト祝祭劇場で毎年7月から8月にかけて行われる、リヒャルト・ワーグナーのオペラ・楽劇作品に限定した演目を上演する音楽祭(Richard-Wagner-Festspiele)で、ワーグナー自らが創設した音楽祭です。
Wikipediaによりますと、
ワーグナーはかねてから、己の楽劇を、他人の手に触れさせず己の理想的な形で上演することを夢見て、劇場用の土地を捜し求めていた。しかしなかなか理想的な場所は見つからず、苦心して捜し出した土地も、政治的な理由などで追い出されたりした。やがて親しくしていたバイエルン国王ルートヴィヒ2世により、バイロイト辺境伯夫人ヴィルヘルミーネ(プロイセン王フリードリヒ2世の姉)が建築した辺境伯劇場があった、バイロイトの地を提供された。だがそこにあった劇場にも満足できなかったワーグナーは、自ら劇場を建築することを決心する。
自らの劇場は、現在「バイロイト祝祭劇場(Bayreuther Festspielhaus)」として、ワーグナーが自身の作品の上演を目的として計画、設計し、バイエルン王ルートヴィヒ2世の後援を得て1872年に着工、1876年に完成したものです。
この文中にある宮廷オペラハウスの「辺境伯劇場」が、現在ユネスコ世界遺産に登録されており、現在のバイロイト祝祭劇場も全館木造なのですが、同じく全館木造建ての「辺境伯劇場」を参考にしたと言われています。
バロック様式最高傑作の歌劇場「バイロイト辺境伯劇場」
前置きが長くなりましたが、ワーグナー無しではバイロイトを語れないところもアリ、いよいよ本題です。
※私が行った時は2020年。新型コロナウイルス感染対策として、バイエルン州のレギュレーションに基づき、ツアーでのみ中を見ることができました。最新情報はウェブサイトをその都度チェックしてください。
ツアーはドイツ語のみですが、始め放映されるビデオは英語の字幕もついていました。
ただ、この字幕がですねえ・・・筆記体?のようなフォントで非常に読みずらい!!
パンフレットは、ドイツ語、英語、フランス語、イタリア語のみが提示されていたので、英語のパンフレットをいただいて、ツアーに参加する前に外のベンチに座って読みました。
ドイツの歴史をざっくり知っていると、より理解が深まると思いますので、少しリサーチしてから行った方が良いかもしれません。
世界遺産・バイロイト辺境伯劇場の歴史
バイロイト辺境伯劇場(ドイツ語:Markgräfliches Opernhaus)は、プロイセンのフリードリヒ大王の姉であったヴィルヘルミーネの希望で建てられました。
彼女は、文化的、芸術的な知見・興味があり、劇場が完成したのは1748年と言われていますが、これも「ドイツあるある」?!なのか、すべてが完成する前に住人が住んで徐々に外観を完成させていく建物だったり、改修工事中でも買い物客を受け入れるお店のように、完成前年の1747年に、ヴィルヘルミーネの娘の結婚を祝って、こけら落としが行われたという事です。
2012年にユネスコの世界文化遺産に登録されています。
2010年から改修工事が行われていたようですが、訪問時(2020年時点)は、外観の一部が工事中、内装はほぼ改装工事は終了していたものの、一部シートがかかっている場所もありました。
私が行った日は、建物の外に看板が出ていて、ツアーの時刻が書かれていました。
当然ですが、(コロナ禍だったため)観光客はほとんどいません。
建物の中に受付がありますので、マスクを着けて入館。受付で、参加したいツアーの時間と人数を伝えてチケットを購入。
私が参加した時は、ツアー参加者や7~8人ほどいたと思います。
ちょっとした国内(又は隣国?)からの観光客のみで、チケット購入時に渡されるシートナンバーがあるので、内部に入ったら、そのシート番号の座席に座ります。
私は運よくど真ん中真ん前でした。「ソーシャルディスタンス」をとるため、カップルやお友達同士でツアーに参加していた方々でも、3シート挟んだ距離で座る事となっていました。
ツアーリーダーは、マスク着用、私達もマスク着用で、写真撮影は???ですが、皆撮っていたので私も写真を撮りました。
バイロイト辺境伯劇場(Markgräfliches Opernhaus)のみどころ
外観からも、一瞬「これはオペラハウスのような作りだけどいったい何だろう?」と考えてしまうくらいこじんまりとしたた佇まいのバイロイト辺境伯歌劇場。
「こじんまり」と書きましたが、建設当時は、ウィーンやドレスデンよりも大きな歌劇場だったと言います。
また、現存する内奥と外装はほぼ当時のままと言うのも、第二次世界大戦での被害を免れた為です。
噂によると、アメリカ空軍の飛行機が上空から見たときにビール工場に見えたため、爆撃しなかったのが理由と言われています。
言い方を変えるとちょっとショボイ?!(失礼!)・・・でも、歴史を感じる建物ですので、バイロイトへ足を運ぶ際にはぜひ中を見てみてくださいね。
個人的には、内装を含めてほぼ当時のままの姿をとどめる恵まれた保存状況の宮廷歌劇場としては見ごたえがありました。
また、歌劇場としてバロック建築様式の最高傑作との言われており、高い天井に描かれたフレスコ画と、立体的ないわゆる「だまし絵」の技法によって、さらに奥深い空間を感じ取ることができます。
バロック様式の特徴のひとつとして、この「だまし絵」がありますが、人間の目の錯覚を利用し、見る人に描かれている空間が実際に浮かび出て立体的に見えるような感覚を与え、天井のフレスコ画は、人々に天国が本当にあると信じさせるような空間を演出していました。
この目の錯覚を使った技法は、壁や柱が大理石に見えるようなペイントにも使われています。
この技法は、当時の建築資材やコストの削減にも役に立ったと言われていますが、オペラハウスという音響問題などの構造を考えると、全木造・・・と聞き、すごい技術だわ~~と感心してしまいました。
私は初め、このオペラハウスが全館木造とは知らずに、石と組み合わせで建てられていると思い込んでいたのです。
ツアーで、この建物について説明してくれた方が、全館木製作りだと説明したので「え??!」と思い、少しだけ石に見える部分を触らせていただいたら、本当に木の手触りだったので非常に驚きました!!
バイロイト辺境伯劇場の場所やツアーの時間・料金
<営業時間>
4月〜9月:午後9時〜18時
(入場時間:9:00、9:45、10:30(英語)、11:15、12:00、12:45、13:30、14:15、15、15:45、16:30、17:15)
10月〜3月:午前10 時〜午後4時
(入場時間:10:00、10:45、11:30、12:15、13:00、13:45、14:30、15:15)
※コロナの影響でツアーの回数が減っているかもしれませんので、現地で確認してください。ツアーの事前予約はできません。
祝日:1月1日、カーニバル火曜日、12月24日、25日、31日。
入場料:8ユーロ/1人
詳細やアップデート情報は、公式ホームページでご確認ください。
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