シャルロッテンブルク宮殿の歴史と見どころを紹介【ベルリンの隠れた宝石】

ベルリンのシャルロッテンブルグ宮殿

ベルリンを訪れるなら、ぜひ一度は足を運びたい場所が、シャルロッテンブルク宮殿です。

この宮殿は、プロイセン公の夏の宮殿として使われ、その壮麗な建築と美しい庭園で、訪れる者を魅了します。

先日、私もこのベルリンの人気観光スポットに行ってきましたので、その魅力をシェアしたいと思います。

スポンサーリンク
目次

シャルロッテンブルク宮殿とは(Charlottenburg Palace)

庭園から見たシャルロッテンブルグ宮殿 ©haneusagi.com

シャルロッテンブルク宮殿(ドイツ語:SCHLOSS CHARLOTTENBURG)は、ベルリンにあるバロック様式の宮殿で、シュプレー川沿いに位置しています。

1695年から1699年にかけて、ブランデンブルク選帝侯フリードリヒ3世(後のプロイセン王フリードリヒ1世)の妻、ソフィー・シャルロッテのために建設されました。

元々は「リーツェンブルク宮殿」と呼ばれていましたが、ソフィー・シャルロッテの死後、フリードリヒ1世によって「シャルロッテンブルク宮殿」と改名されました。

宮殿の背後には、55ヘクタールの広大な庭園が広がり、その豪華さと歴史的背景から、ベルリンで最も訪れる価値のある観光スポットの一つです。

宮殿の内部と庭園を散策することで、プロイセン王国の華麗な王族の暮らしを感じることができ、多くの観光客を惹きつけています。

シャルロッテンブルク宮殿の歴史と背景

歴代のプロイセン王家の家族の肖像画が並ぶギャラリー(旧宮殿) ©haneusagi.com

シャルロッテンブルク宮殿は、1699年にソフィー・シャルロッテのために建設されました。

ソフィー・シャルロッテは、ジョージ1世としてイギリス王位を継承したハノーファーのジョージ・ルイス(ドイツ語:ゲオルク・ルートヴィヒ(Georg Ludwig)の妹で、1684年に当時のプロイセン公であったフリードリヒ3世と結婚しました。

フリードリヒはソフィー・シャルロッテに、当時まだベルリン郊外にあった土地を与え、彼女の夏の離宮として宮殿を建設しました。

芸術をこよなく愛したソフィーは、当初はリーツェンブルク宮殿と言われていたこの離宮の別名「ミューズの宮廷」に、詩人、哲学者、音楽家、芸術家たちを招いていました。

音楽や芸術を愛したソフィーが所有していたチェンバロが展示されている(旧宮殿) ©haneusagi.com

なんと、夫のフリードリヒ1世でさえ、彼女が自ら招待しなければ訪問できなかったと言われています(すごい徹底ぶり)

しかし、彼女は36歳の若さで亡くなってしまったため、夫フリードリヒ1世は彼女の死後、宮殿とその周辺をシャルロッテンブルクと改名しました。

ソフィーの死後も、宮殿は改修され続け、国有建築としての地位を確立。約100年後、プロイセン王妃ルイーゼもこの宮殿に住み、東翼を中心に改装を行いました。

シャルロッテンブルグ宮殿の新翼(New Wing)部分の建物 ©haneusagi.com

ルイーゼ王妃は当時非常に人気があり、夫のフリードリヒ・ヴィルヘルム3世とともに宮殿で活発な社交生活を送りました。

1880年以降、シャルロッテンブルク宮殿は王宮として使用されなくなり、敷地は一般に開放されました。

宮殿は、第二次世界大戦中に大きな被害を受けたものの、近年の大規模な改修工事により、かつての栄光を取り戻しています。

現在、シャルロッテンブルク宮殿はベルリンの中でも見応えのある観光スポットとなっており、特にフランス国外では最大の18世紀フランス絵画のコレクションを誇ります。

ベルリン最大の宮殿として、その壮麗さと歴史を体感する価値がある博物館です。

シャルロッテンブルク宮殿の建築とデザイン

旧宮殿入り口前の広場 ©haneusagi.com

この宮殿は、時代を経て何度も改装と増築を繰り返しています。

デザインの特徴は、旧宮殿のバロック様式と、新翼と呼ばれる増築部分のロココ様式の融合です。

豪華な装飾と広大な庭園は、まるで絵画の中に迷い込んだかのような感覚を味わえます。

特に宮殿内の壁画コレクション、テキスタイル、銀製品、陶磁器コレクションやシャンデリアは圧巻で、一見の価値ありです。

庭園も素晴らしいのでぜひ散策しましょう。

※庭園だけの入場は無料

シャルロッテンブルク宮殿のおススメ見学コース

シャルロッテンブルク宮殿は、1699年にフリードリヒ1世の妃ゾフィーのために建設され、1701年から1888年までプロイセン王の夏の離宮として使われていましたが、現在は博物館となっています。

博物館の見学コースは「旧宮殿」と「新翼」に分かれています。

新翼のお部屋はロココ調 ©haneusagi.com

「旧宮殿だけ」、「新翼だけ」、「全館見学共通チケット」とチケット価格が違います。

「旧宮殿」は17世紀末のバロックスタイルの内装で、「新翼」部分は、1740 年にフリードリヒ・ヴィルヘルムが亡くなった直後、新国王のフリードリッヒ2世が自分好みのロココ様式で増築した部分になり、時代と建築様式のそれぞれ異なる魅力を持っています。

歴史を感じる旧宮殿 ©haneusagi.com

宮殿内外の見どころを通じて、プロイセン時代の王族の華麗な暮らしを感じることができます。

私達は全館回れる共通見学コースチケットを購入し、「新翼」の建物から見学を開始するようにお勧めされたので、新翼の博物館から旧宮殿、そして最後に庭園を見学しました。

時間想定としては、最低半日は見ておきたいです。

新翼→旧宮殿→ほかのコレクション→庭園散策を駆け足で、約3時間かかったけど、共通チケットで新翼と旧宮殿、コレクションをすべて見るのがおススメ!

アプリをダウンロードすると、日本語のガイドを利用できます。

より理解が深まり、とても便利でした。

シャルロッテンブルク宮殿見どころ① 陶磁器の間-Porcelain Cabinet

貴重な陶磁器コレクションで埋め尽くされる「陶磁器の間」 ©haneusagi.com

「陶磁器の間」と呼ばれるこの部屋に展示されている日本や中国の陶磁器コレクションは圧巻です。

当時、陶磁器は、ヨーロッパではなかなか入手困難で、貴重品でした。

18世紀にヨーロッパで大流行した陶磁器ですが、中国や日本から取り寄せて集めた、部屋をびっしりと埋め尽くす陶磁器の数々は圧巻です。

とにかく圧巻で写真をとりまくる ©haneusagi.com

旧王宮内にある陶磁器の間は、この種の磁器コレクションとしては最古かつ最大のもののひとつです。

この陶磁器コレクションは第二次世界大戦で大きな被害を受け、わずか2700点しか残っていないらしい。

展示されているものはとにかく素晴らしく、金の壁と鏡の組み合わせに、びっしりと埋め尽くされている陶磁器の数々は、まさに豪華絢爛でインパクト大です!

壁がきらびやかで豪華なのも圧巻でしたが、天井のフレスコ画も「これでもか!」というくらい豪華さを表していました。

華麗な装飾と精巧なデザインが魅力なので、陶磁器ファンにとっては見逃せない展示です。

シャルロッテンブルク宮殿見どころ② 宮廷礼拝堂-Palace Chapel

素晴らしい内装の礼拝堂 ©haneusagi.com

シャルロッテンブルク宮殿の礼拝堂は、その壮麗なバロック様式の建築と装飾が特徴的です。

この礼拝堂は宮殿の主要な見どころの一つであり、その豪華な内装と天井画が訪れる人々を魅了します。

礼拝堂の内装は、大理石の柱と金箔で装飾された天井が特徴で、壁面には精巧な彫刻や絵画が施されていました。

また、礼拝堂のパイプオルガンも注目すべきポイントで美しいです。

見学コースで言うと、陶磁器の間の後に礼拝堂を見学することになるのですが、あの豪華絢爛なお部屋を見た後に神聖な気持ちになれる不思議な空間でした。

シャルロッテンブルク宮殿の礼拝堂は、王族の宗教的な儀式や重要な行事が行われた場所であり、その歴史的な価値と芸術的な美しさから、訪れる価値のある場所です。

シャルロッテンブルク宮殿見どころ③ シルバーコレクション-Silver Collection

当時のようにセットアップされた銀食器コレクション ©haneusagi.com

かつて宮廷の銀の部屋に保管されていた金、銀、ガラス、磁器で作られた歴史的な食器のコレクションは、その範囲と文化史的意義において他に類を見ません。

約100点の宮廷食器が保存されており、その一部は完全な形で保存されています。

バロック時代から歴史主義時代にかけての宮廷の食卓の流行、料理の好み、儀式の習慣を反映した展示もあります。

銀食器だけでなく様々なシルバー製品や作品を見る事ができますので、シルバーファンの方は必見です。

銀製品だけでなく、宮廷で使用していた洋食器コレクションやジュエリーのコレクションも展示されていたので見どころ満載でした!

シャルロッテンブルク宮殿見どころ④ ゴールデン・ギャラリ-Golden Gallery

ため息が出るほどエレガントなゴールデンギャラリー ©haneusagi.com

ゴールデン・ギャラリーは、宮殿の新翼にある見事なロココ調の優雅な舞踏ホールです。

1740年に即位したフリードリヒ大王が、ポツダムにサンスーシ宮殿を建設したのと同時期に、シャルロッテンブルク宮殿の旧宮殿を拡張する形で新翼を追加しました。

シャルロッテンブルグ宮殿は、第二次世界大戦でほぼ完全に破壊され、その後大規模に再建されましたが、特に注目すべきはこの壮大なゴールデンギャラリーです。

©haneusagi.com

淡いグリーン色に縁どられた金色の壁と天井、木製の美しい床、豪華なシャンデリアのコンビネーションがエレガントでとても華やかで、ホールを歩くだけでも何とも言えない素敵な気持ちになる大ホールです。

豪華なゴールデンギャラリーは、ヨーロッパで最も美しいロココ様式の代表作とされているそうで、その美しさから納得できます。

また、新翼には、フリードリヒ大王のために設けられた二つの独立したアパートメントがあります。

©haneusagi.com

これらの部屋には、フランス以外で最大の18世紀フランス絵画コレクションの一つが展示されており、アントワーヌ・ヴァトーの傑作も含まれています。

新翼に関してもう少し付け加えると、フリードリヒ・ヴィルヘルム3世とその妻であるルイーゼ王妃も、新翼を夏の住居として利用していました。

ルイーゼ王妃の寝室はカール・フリードリヒ・シンケルが1810年に設計したもので、プロイセン家具デザインの優れた例です。

彼女の寝室はもちろん、フリードリヒ・ヴィルヘルム3世のアパートメントには19世紀初頭の王室美術コレクションが展示されています。

シャルロッテンブルク宮殿見どころ⑤ 庭園-Garden

癒しの公園 ©haneusagi.com

シャルロッテンブルグ宮殿に行ったら、宮殿の博物館だけでなく、庭園も散策してみたいもの。

宮殿の背後にはフランス式のバロック庭園が広がり、その先にはイングリッシュガーデンもあります。

シャルロッテンブルク宮殿の庭園は、広さ55ヘクタール(東京ドーム約11個分)にも及び、背後には森や湖が広がる壮大な風景が特徴です。

とにかく広い!!

旧宮殿から庭園を望む ©haneusagi.com

この庭園は、フランスの造園家シメオン・ゴドーによって設計され、整備された散歩道には彫像が点在しており、宮殿庭園だったことを感じさせてくれます。

庭園内には、王族の霊廟やお茶を楽しむための建物が点在しており、かつて権力者たちが過ごした場所としての豪華な演出が感じられます。

この広大な庭園と公園内には、官舎や遊び場、森、池や川にかかる橋などが点在し、訪れる人々は1、2時間かけて散策しながら、歴史のロマンに浸りつつリラックスした時間を過ごすことができます。

シャルロッテンブルク宮殿の庭園は、美しい風景と歴史的な雰囲気を兼ね備えた魅力的な観光スポットです。

季節ごとに異なる表情を見せる庭園は、散策するだけでも心が癒されますよ!

シャルロッテンブルク宮殿へのアクセスとチケット情報

新翼の横にチケットカウンターがある ©haneusagi.com

シャルロッテンブルク宮殿は、ベルリン中心部から公共交通機関で簡単にアクセスできます。

私たちは、ベルリンA+Bエリアの公共交通機関24時間乗り放題チケットを買っていたので、ベルリン中央駅からSバーンで、Charlottenburg駅まで行き、そこから隣接するU-BahnのWilmersdorfer Str.駅からRichard-Wagner-Platzで下車し、そこから徒歩で向かいました。

Richard-Wagner-Platzからシャルロッテンブルグ宮殿までは徒歩11分で、直線なので分かり易いです。

Zoo(ツォー)駅からバスが出ているようですが、時刻や距離感がわからなかったので電車と地下鉄のみを利用しました。

ちょうど泊まった宿泊先のチェックアウト日でしたが、荷物を預かってもらって、またベルリン中央駅まで戻ったので便利でした。

入場チケットはオンラインで事前に購入することも可能です。

これにより当日の入場がスムーズになりますが、私たちはその場でチケットを買ったのですが、窓口はガラガラで、更に一緒に行った友人の息子さんが26歳以下ということで割引料金を適用していただきました。

優しかった!

  • チケット価格: €19.00 / 割引€14.00
  • 家族チケット価格: €25.00(大人2名までと7~18歳の子供4名まで有効)

シャルロッテンブルグ宮殿のチケットに関する詳細については、公式サイトを参照してください。

「日本語オーディオガイドはチケット価格に含まれていますか?」と質問したら、オーディオガイドというものは無いけど、シャルロッテンブルグ宮殿のアプリをダウンロードすれば各部屋や展示物の説明を日本語で確認できる(文字と音声の両方)と説明されました。

QRコードの読み取りから確認の仕方まで教えてくれて優しかったです。

終わりに

ベルリンと言えば思い浮かべる観光スポットは、ブランデンブルク門やベルリンの壁をはじめとする東西ベルリンの歴史的なものなど、比較的新しい現代史のものが多いと思います。

シャルロッテンブルク宮殿は、ドイツにまだプロイセンという王国が存在していた時代を感じ取ることができる場所。

歴史と美術、そして自然の調和が見事に融合しており、一度訪れる価値があります。

私は、初めてベルリンを旅した2010年に一度この宮殿に足を運び、2度目の訪問でしたが、今回はドイツに住んでいるからこその視点で見る事ができたのは、さらに理解が深まって良かったです。

次回のベルリン旅行では、ぜひシャルロッテンブルク宮殿を訪れてみてください。

皆さまの旅行計画の参考になれば幸いです。

はねうさぎのブログを応援していただける方はこちらから!

いつも当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。日々、皆様からいただくコメントやシェアを通じて交流できることが、私の大きな喜びです。 本業と並行してブログを運営していく中で、サーバー代やツール購入など、さまざまな運営コストが発生しています。 「このブログが役立った」「応援したい」とお考えの方は、もしご支援いただけましたら大変嬉しく思います。 これからも読者の皆様にとって価値ある情報を発信していけるよう努めてまいります。末永くご愛顧いただけますと幸いです。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

旅行、おいしいもの・ワインが大好きのドイツ在住40代。旅行、デザイン&アート、国際結婚ネタ、語学学習(英語・ドイツ語)のヒントをお届けします。20代後半にアメリカでインターン経験。現在はフリーランス翻訳家。ひょんなことから2017年7月11日より南ドイツ在住。干支と小動物風な行動により、幼少時に父親から「うさ」と呼ばれて育つ。その最愛の父は2021年に他界。気ままに書いてます~
プロフィール詳細は「はねうさぎ」をクリックしてね!
★TabiTabiさんに寄稿した「旅行記」
https://tabi-two.com/posts/9

コメント

コメントする

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

目次