こんにちは!はねうさぎ(@haneusagi_com)です。
「ゼンパー・オーパー」の愛称で親しまれている、ザクセン州立歌劇場(旧称:ドレスデン国立歌劇場)。
そう、ドレスデンでもひときわ美しい建築物のひとつ、オペラ座です。
「ゼンパーオーパー」というのはいわゆるニックネームなんですね。
「ゼンパーオーパー」は、数多くの素晴らしい歴史的建築物が並ぶドレスデンで圧倒的な存在感と人気を誇り、現在でも、世界トップレベルのオペラやバレエ、そしてオーケストラの公演が行われていて、その絶大なる人気のため、チケットの入手が困難とも言われています。
オペラやコンサート以外でも、「ゼンパーオーパー」内に見学ツアーで入館できますので、その様子をお伝えします。
ドレスデン「ゼンパーオーパー」の歴史
ドレスデンは、その昔、「ザクセン王国」という一つの王国の首都でした。
1838年から1841年にかけて、このドレスデンの旧市街にオペラ劇場(当時は宮廷歌劇場)として、ドイツ人建築家のゴットフリート・ゼンパーの設計により建設されました。
1843年から1849年までの間、19世紀のドイツを代表する作曲家・指揮者のリヒャルト・ワーグナーは、この「ゼンパーオーパー」で指揮者を務めました。
とっても由緒ある劇場なんですね。
ちなみに、現在の建物は、第三代目。
ツアーでも、ガイドさんが説明してくれるのですが、当時、暖房や照明などのインフラをガスでまかなう設計になっていたため、1869年に、劇場は火災により焼失してしまったそうです。
なぜガス・・・?!っていう。。
さて、ゼンパーは再設計をするのですが、二代目の「ゼンパーオーパー」は、息子のマンフレート・ゼンパーによって完成されます。
そして、第二次世界大戦でドレスデンの街が空襲に会い、ほとんどの建物は瓦礫と化してしまいました。
その後、旧東ドイツ政府が国家の威信をかけて復興に注力し、1985年に現在の建物が完成。
その歳月には40年を費やしました。
設計者であったゼンパーが、細かい設計に関する資料を作成し、それが残っていたため、外観や内部の色彩に至る細部にわたる装飾まで、ほぼ建築当初の姿のままで復元されたということです。
いつも、こういった歴史的な建物に行くと感銘するのが、ドイツの(ドイツ人の)几帳面さというか、きちんと準立ててそしてそれを記録として残すところ。(現在ではあまりそういった人種には思えないのですが・・・苦笑)
写真にしても資料にしても、何度も戦争や紛争を経験してきたドイツですが、「記録としてのアーカイブ資料の管理能力」には本当に驚くことが多いです。
そして。こういった先人たちの残したものを再現しよう、または残そうと努力するドイツ人の姿には脱帽してしまいます。
そして、ドイツ東西統一後から現在に至るまでは、ザクセン州の州立歌劇場として運営されていますが、とても人気があるためチケットの売り上げ収入でもかなりの収益なんだとか。
「ゼンパーオーパー」見学ツアーチケット購入の仕方
ドイツ語のツアーは、1日に何度かあるようですが、英語のツアーは1日1回のようです。(2018年12月時点)
ホームページで確認するとわかりますが、毎日15:00から約1時間、英語の見学ツアーがあります。
私達が行った時には、何人か日本の方もいらっしゃいました。
日本人にも人気があるんですね。
チケットは、オンラインで購入もできますが、劇場建物の近くにあるチケットオフィスでも購入が可能です。
私達は、スケジュールや天候が不明だったので、現地のチケットオフィスで購入しました。
もちろん定員数があると思うので、当日行って当日チケットが買えるとは限らないと思いますのでご注意ください。
ちなみに劇場にチケットオフィスは併設されていません近くのTheaterplatz 2まで行って購入することになります。
こちらで、オペラやコンサートのチケットも購入できるようでした(窓口が別だったので定かではありません)
【チケットオフィスの住所】
Semperoper Dresden / Saxon State Opera Dresden
Vertrieb & Service
Theaterplatz 2
01067 Dresden
【営業時間】
月曜日~金曜日10 a.m. – 6 p.m.
土曜日 10 a.m. – 5 p.m. (1月~3月は、10 a.m. – 1 p.m.)
日曜日、祝祭日10 a.m. – 1 p.m.
◯オンラインでの見学ツアーの情報、予約はこちらのサイトからできます。
https://www.semperoper-erleben.de/en/
ドレスデンのオペラハウス「ゼンパーオーパー」ツアーの概要
まずは、15:00ツアーの10分ほど前に劇場正面右手にあるドアの前に集合です。
15:00に同じくドイツ語のツアーがあったので、ドイツ語ツアーの参加者が先に中へ案内され、しばらく経ってから英語ツアーの私達が入場となりました。
若い日本人の女性3人のグループと、年配の日本人女性おひとり、北欧系っぽい女性2人組、私とはねうさ夫、国籍不詳ですが英語の堪能なアジア人男性の合計9人でした。
ドアのところでチケットを確認され、中へ入るとクロークになっており、そこにコートや大きな荷物を預けます。
写真撮影は許可されていますが、いわゆる「写真撮影権」を支払った人のみが撮影できます。
私は撮影したかったので3ユーロ(ん?4ユーロだったかな)を支払い、許可を得たしるしとしてブルーのステッカーをもらい、洋服につけました。
まずは、設計者であるゴットフリート・ゼンパーの説明と、ザクセン王宮劇場として誕生した歴史の説明がありました。
階段を上っていき、豪華絢爛なホールの装飾や使われた材料、テクニックなどの説明、度重なる火災による焼失や戦火によって復興された際のエピソードなどを説明していただきました。
内装は、グリーンの柱をたくさん使った宝石をちりばめたかのような宮殿スタイルのデザインで、1本だけオリジナル(現存していたものを復興の際に使ったそうです)があるとのことでした。
この宮殿スタイルの内装は、建築的に柱が多い方が良いからとかそういう事ではなく、すべてデコレーションの為だとガイドさんが言っていました。
それだけ贅沢に貴重な石が使われたということになりますね。
ちなみに、「ゼンパーオーパー」専属のオーケストラは、シュターツカペレ・ドレスデンという名前でコンサートや単独録音も行っており、非常に人気が高いんだとか。
オーケストラのステージも、上下に3メートルまで稼働するそうです。これは、演目や演奏規模に応じて音や響き方の調節をするためだそうです。すごく繊細な配慮なんですね。
そして、劇場の内部に入ると、まるで映画の中にでも迷い込んでしまったかのような気分になってしまうほどの豪華絢爛の美しさ。
装飾、デザインはさることながら、ほとんどのシート近辺に貝殻をかたどったデザインの装飾は、どの席に座っても素晴らしい音響で演目を楽しめるように何度もテストを重ねて配置されたものだと知り、デザインのすばらしさだけでなく、バレエやオペラを楽しめるように機能性にも配慮しているところがドイツらしいな、と思ってしまいました。
はねうさ夫は、オペラやバレエなどの演目を鑑賞することはあまり好きではないようで、これは実現しないと思うのですが、こんな素敵なところでコンサートなんかに行ってみたいなあ~なんて思いました。
ガイドさんも言っていたのですが、「すべては現実とは全く違う世界を鑑賞する人々に味わってもらうため」に、あえて非現実的な豪華絢爛さを演出しているんだとか。
なるほど、夢を売る仕事のひとつですね。
ゼンパーオーパーへの行き方
「ゼンパーオーパー」は、ドレスデンの歴史的旧市街の中心に位置しており、さほど大きくないドレスデンの街ですので、すぐに見つけることができます。
【電車で移動の場合】
ドレスデン中央駅からは、トラム11番(Bühlau行き)に乗り、Postplatzで下車。
またはトラム8番(Hellerau行き)を利用し、Theaterplatzで下車。ドレスデン・ノイシュタット駅からは、トラム11番(Zschertnitz行き)に乗り、Postplatzまで移動。
【車で移動の場合】
旧市街地に来るまで乗り入れるのは、かなり面倒ですので、ホテルの駐車場に止め、旧市街地内は徒歩が便利です。
劇場広場付近には、自家用車は駐車できないことになっています(乗降目的の数分の停車は可能)。
オペラ座の後方のデヴリエン通り(Devrientstraße)には、パーキングエリアあり、ここからオペラ座までは、徒歩で200メートルほど。
沢山の美しい建物があるドレスデン。
ドレスデンという中規模都市の歌劇場でありながら、建物面でもミュンヘン、ウィーン、パリなどに比べても見劣りしない豪華さは、たとえオペラやコンサートに興味のない方でも、その歴史ある建物のツアーは楽しめると思います。
また、オペラ鑑賞は価格や時間の面もあって難しい・・・という方に、このツアーはとてもオススメです。
ぜひ実際に行ってみて、見てみて、肌で美しさを実感してみてください。
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