ドイツの伝統行事「マイバウムMaibaum」で5月のお祭りを楽しもう!

ドイツのマイバウムの習慣

こんにちは!はねうさぎです(@haneusagi_com)です。

春の訪れを告げるドイツの伝統行事、「マイバウム(Maibaum)」の祭。

色鮮やかなリボンや花々で飾られた背の高いポールが街中に立つ様子は、ドイツの地域社会にとって特別な時期の始まりを示します。

この記事では、マイバウムの起源や意義、そして祭りの楽しみ方について探ってみることとします。

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目次

マイバウムの起源と意義

©haneusagi.com

マイバウムの起源は明確ではなく、複数の説が存在します。

一般的には、マイバウムは中世のゲルマン人の伝統的な儀式に由来するとされていますが、「メイ(女性の名前)への愛」との関連性が由来であると考える人もいます。

未婚の男性が、愛する人の家の前に白樺などの小さな木を置き、色とりどりのリボンで飾ったことに由来しているのだと。

マイバウムの習慣に関する文献はバロック時代から存在していたと言われており、シーザリウス・フォン・ハイスターバッハによる 1225 年の報告によると、メイポールの最古の証拠はアーヘンから来ているようです

マイ(Mai)は、ドイツ語で5月を意味し、バウム(Baum)は木を意味しています。

そう。つまりは「5月の木=Maibaum」を立てる(しかるべき所に設置するaufstellen)ので、この儀式(お祭りの事)は「Maibaumaufstellen」と呼ばれています。

※英語では、Maypoleとなります。

これは、春の訪れを祝うために村の中心に大木を立てる儀式であり、古代ゲルマンの信仰や祝祭に深く根ざしていると言います。

マイバウムは、新しい生命と成長の象徴として捉えられ、地域の結束や繁栄を祈る儀式として行われています。

その意義は、地域社会の一体感を高め、共同体の結束を象徴するとされています。

事実、マイバウムが立てられている場所は、街のマルクト広場だったり、教会の横であったり、消防署の横だったりします。

私の住むドイツのドどどどど田舎では、消防署の横に立てられます。

今日、マイバウムはドイツやオーストリアなどの地域で春の祭りや伝統行事の一環として祝われており、地域の文化や歴史に根付いた重要なイベントとして位置づけられています。

Wikipediaによりますと、マイバウムのお祭りは、ドイツでは特に、バーデン=ヴュルテンベルク州、バイエルン州、プファルツ州で一般的ですが、ラインラント州、ザールラント州、ノルトライン=ヴェストファーレン州、ヘッセン州、ザクセン州、ザクセン=アンハルト州、テューリンゲン州でも行われているとのこと。

ドイツ以外でもオーストリアで一般的であり、チェコ共和国、スロバキア、スロベニア、ハンガリー、ルーマニアの一部でも5月1日に行われ、他の地域はペンテコステに行われるという事です。

スカンジナビアでは夏至に行われることが一般的で、スイスの田舎の地域でも見られるということです。

一部の村では、特に勇敢な若者がマイバウムに登るのが習慣になっており、頂上に登ることができた者には名声と名誉が与えられます。

興味深いですね!

ドイツのマイバウムの伝統的な装飾と意味

マイバウムは伝統的に、鮮やかな色のリボンや花で装飾します。これらの装飾は、地域やコミュニティによって異なる場合がありますが、一般的には明るい色や地元の伝統的なパターンが用いられます。

私が住んでいるのはバイエルン州のフランケン地域ですので、バイエルン州の青と白を使った装飾が良く見られ、フランケン地域の赤と白のギザギザ模様や、ワッペン、街のロゴなどを装飾した物も良く見られます。

例えば、ミュンヘンの人気観光スポットでもあるヴィクトアリエンマルクト(市場)に行くと目にすることができます。

青と白のバイエルンカラーで装飾されたマイバウムがひときわマルクトで目立つ存在ですのでイメージしやすいと思います。

ミュンヘンを旅行した際には「あれがマイバウムか!」とチェックしてみてくださいね。

マイバウムの意味は、春の到来や新しい成長、生命の復活など、豊かな収穫や繁栄を象徴しています。

また、マイバウムには通常白樺の木や松科の針葉樹が使用されますが、木は村や町の中心に立てられ、地域の結束や共同体の力を示す象徴的な役割も果たします。

伝統的には、マイバウムの周りで祝賀や祭りが行われ、地域の人々が集い、音楽やダンスもあり、絆を深める機会となります。

また、マイバウムを立てるのは男性たちの役割なのですが、うるう年には役割が逆転することが多いため、今回は女性も参加すると予測されているそうです。

ドイツ各地でのマイバウム祭りの楽しみ方

地域や市町村により、マイバウムのお祭りは様々だと思いますが、私が住む地域の一般的なマイバウム祭りでは、地域の人々が集い、伝統的な儀式や祝賀ムードを楽しむことができます。

例えば、私の義理両親の住む町では、厳選された木を事前に運び、装飾します。

祭りの当日には、まずはマイバウムが村や町の決まった場所に立てられる儀式が行われます。

木は背が高くしっかりとした太さがあるので、大人の男性が何十人か集まってロープなどを使い、少しずつ時間をかけて立てていきます。

お祭りには音楽や楽器が付きもののドイツですが、私が見た時はスタンバイしているブラスバンドが木を立てるアクション(ロープを引っ張るなど)の間は特定の音楽、一旦休んで違う音楽、と言う風に、たった1本の木を立てる事に対して、かなりドラマチックに応援する様子がうかがえちょっと「ぷぷっ」と笑ってしまったくらいです。

無事にマイバウムが立てられた時には、映画の中のスーパーヒーローが問題を解決した時のような祝賀ムードいっぱいの音楽でクライマックスを終えます。

個人的に「たった1本の木に良い大人がこんなに一生懸命祝賀ムードって、すげ~(笑)」くらいに思いました。

皆さん真剣にこの儀式を楽しんでいらっしゃいます!

その後、地元の伝統衣装を着た人々(バイエルンなので女性はディアンドル、男性はレーダーホーゼン)や地元の音楽隊がパレードやコンサートを行い、祭りの華やかさを盛り上げます。

祭りの会場では、地元の料理やビールやワインが楽しめる屋台が立ち、ドイツの文化や伝統を体験することができます。

また、地元の芸能や伝統的な踊りが披露されることもあり、飲んで食べて喋っての楽しいお祭りの雰囲気となります。

家族や友人と一緒に、マイバウム祭りでドイツ文化の魅力を満喫しましょう。

マイバウム祭りの歴史と文化的背景

村に掲げられた告知ポスター ©haneusagi.com

先ほども書いた通り、マイバウムのお祭りは、古代のゲルマン人の伝統に根ざしていると言われており、これは、春の到来や新しい成長、そして農作業の始まりを祝う古代の儀式に由来していると言います。

木の幹の太さや木の高さが特に重要視され、それらは力強さやたくましさ、成長と繁栄を象徴していました。

この伝統はキリスト教化され、キリスト教の祝日である聖霊降臨祭(ペンテコステ)と結びつけられました。

実際に、マルクト広場ではなく、教会の横にマイバウムが立てられる市町村も多く存在し、選ばれたマイバウムを神聖な木、このマイバウムを立てることを神聖な儀式と考えている人もます。

現代のマイバウム祭りは、木のポールを村の広場に立てる儀式や、地元の伝統的な衣装を着てのパレード、地元の料理や飲み物の提供など、さまざまな文化的要素を含んでいます。

マイバウムのお祭りは地域の結束を高め、伝統や文化を祝う機会として大切にされていると感じます。

ペンテコステに関しては別記事に書いていますので合わせて読んでみてくださいね!

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