こんにちは!はねうさぎです。
ドイツでは、昨日の日曜日からサマータイム(夏時間、またはデイライト・セービング・タイム)が始まりました。
アメリカに住んでいた時も、ボストンと言う高緯度地域だったので、この夏時間の制度は有効的だなあと感じていたのですが、実は最近、この夏時間には様々なデメリットがあることも報告されています。
サマータイム導入のそもそもの目的とアイディア
サマータイムの導入に関しては、18世紀に、アメリカの政治家ベンジャミン・フランクリンが提唱したと言われているのですが、このアイディアは、時計の針を動かすことではなく、市民に早寝早起きを提唱しただけで、「サマータイム」として実現したわけではありませんでした。
世界で初めてサマータイムが実施されたのは、第一次世界大戦中のドイツと言われており(by Wikipedia)、1916年4月。
その後、イギリスも1916年の5月から採用したのが始まりのようです。
本来の目的は、明るい時間を有効に使えるのでエネルギーを効率的に使い、無駄なエネルギー消費を抑えること、交通事故や犯罪発生率の低下、人々の活動時間が増えることによる経済効果、そして、午後の日照時間が増えるため、夕方以降の時間を趣味や家族と過ごす時間にあてたり、余暇の時間を充実させたりできること、とされています。
実際に、サマータイムがどのように行われるのかというと、昨日のドイツの場合、日曜日の朝2時に時計を1時間進めるというもの。
そう、少しややこしいのですが、日曜日の2時イコール日曜日の3時になるのです。日曜日の朝2時から3時の1時間は消えるというわけですね。
そして、夏時間が終わるときは、日曜日の3時に、時計の針を朝2時に戻すというもの。
2018年のドイツの夏時間終了は、10月28日の日曜日です。
さすが、世界で初めてサマータイムを導入したドイツ。人々の日光への執着?というかリスペクトというか・・・は、生活しているとすごく実感できます。
実際に、このサマータイム制度は、ドイツではとても有効活用されていると実感することができます。
サマータイムのデメリット
サマータイムの本来の目的に、エネルギーを節約することがあげられていますが、実はサマータイム中はより多くのエネルギーを使用していることが報告されています。
また、健康被害が多く報告されています。
2018年3月8日、CNNは、「Why daylight saving time can be bad for your health」という、サマータイムが与える健康への影響についての記事を発表しています。
この記事によると、2016年にフィンランドに拠点を置く研究者が、サマータイム移行週の2週間前とサマータイム後に入院した11,000人以上の入院した3000人以上の脳卒中患者の割合を比較したもので、調査では、発作や脳卒中の総発生率は夏時間後の2日間で8%の増加。
その中でも、がん患者においては、脳卒中を発症する可能性が25%高く、65歳以上の人々は脳卒中を発症する可能性が20%高かった、という結果を報告したというもの。
これらの研究は最近に始まったことではなく、2012年のアラバマ大学バーミンガムの研究チームによると、夏時間が開始された後の月曜日と火曜日は、心臓発作のリスクが10%増加すると発表しています。
ワシントン大学経営学部の准教授で、特に職場での睡眠不足の影響を研究しているクリストファー・バーンズ教授は、「サマータイムが開始された直後の月曜日は、人々は平均して40分の睡眠不足に陥っていることがわかりました」と語っています。
また、カナダのブリティッシュコロンビア州では夏時間導入直後の月曜日には変更直前の月曜日より交通事故が平均で23 %増加するとして、注意を呼び掛けています。
実際、たった1時間で、そんなにも違うか?!と思う方もいるでしょうけど、昨日から眠いし、体がだるいし、朝は起きるのがつらいしで、若干体の異常は感じています。(はねうさ夫は、1時間でそんなおかしくなるわけない!ぼくは何も感じない・・・とか言ってますけど)
日本でサマータイムは機能するかしないか
2011年の原発事故以来、日本でも、国民のエネルギー消費に関する興味は高まっていると言えると思います。
今でも思い出す、あの真っ暗の渋谷交差点。それと同時に震災前の消費電力についても考えさせられた出来事でした。
震災のあと、(実は震災前からもサマータイムについての構想は議論されていました)サマータイムについてディスカッションが行われましたが、結局日本では導入されないことになりましたね。
確かに、ヨーロッパ人と違って、夕方が明るいからと言って余暇を楽しむというより、残業がさらに増えるんじゃないか?!という懸念が挙げられたのには納得です。
ただ、実は日本でもその昔、サマータイムが導入されていました。
第二次世界大戦後の連合国軍占領期にGHQの指導下において正式に導入され、1948年(昭和23年)5月2日~9月11日にかけて実施されましたが、日本が主権を回復した直後の1952年に廃止されています。
アメリカが導入した制度を撤廃するところなんかはなんだか日本人の頑固さ?!を感じます。これから俺たち自国で頑張っていくぞ、的な。
実は、先週末、夫の実家の街が、今年で1100周年(ある文献にその街の名前が表記されてから1100年が経つという根拠から)ということで、夜の8時から90分間花火が上がったのですが、その花火を見ながら日本の花火を思い出しました。
私は母からの影響もあり、花火鑑賞が大好き。
日本はもちろん、アメリカでも(独立記念日と新年)、そしてドイツでも花火を鑑賞しましたが、やっぱり日本の花火は芸術性・エンターテイメント性がずば抜けています。
そして、日本で花火というと、やはり夏の風物詩ですよね。
浴衣を着て、屋台で何か食べ物を買ってシートに座って花火をじっくり鑑賞する・・・これが、サマータイムで夜明るかったら、実現されないなあ・・・なんて思いました。
逆に、ヨーロッパで夏の花火!といっても、この3月ですでに夜7時まで明るい状態なので、ヨーロッパの夏の花火も難しいなあ・・・なんて思いながら、日本とドイツの文化や人々のマインドセットについて思いを巡らせていました。
その日はまだマイナスとまではいかなかったので、なんとか耐えられるレベルでしたが、はねうさ夫は、花火開始20分で、「寒い!つまらない!もう家に帰りたい!」とブーイングを連発。
確かに、プログラムも音楽もなく、全体的に日本の花火に比べると芸術性が乏しくて90分間寒空の下で鑑賞するにはイマイチだったのは否めないのですが・・・。
まだ、日本で花火を鑑賞したことのないはねうさ夫。
いつかは夏にも一時帰国したいなあ、と強く希望!(笑)
まとめ
サマータイムにはメリットとデメリットがあり、お国柄や事情などによって効率的に機能する場所としない場所があることは事実だと思います。
サマータイムの恩恵は、緯度の高いヨーロッパではかなり実感できるものがあるので、サマータイムによって体調不良にならないように、食事と就寝時間のバランスを考慮する等健康第一で夏の長い日照時間を楽しみたいと思います。
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