こんにちは!はねうさぎです(@haneusagi_com)です。
チェコ共和国へ行ってきました。ドイツのお隣の国で、ピルスナービール発祥の地です。
(訪問当時は)チェコはコロナ新規感染者数が少ないという事と、バイエルン州からはアウトバーンを3時間ほど走らせると、チェコの主要な都市「プルゼニ(ピルゼン)」に到着できるため、ちょっとした夏休み感覚で行くことにしました。
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2020年8月時点でのチェコのコロナ感染症対策
まず、簡単にチェコの感染症対策についてお伝えします。
陸路で自家用車で通貨又は入国する場合は、国境通過も検問無しで問題なく入国。
チェコにとってドイツは「青色信号国」ということで、感染対策のチェックなどなくそのまま通過しました。
以前も何度か欧州のコロナ感染対策については少し触れましたが、各国それぞれの判断で、各国それぞれが独自の感染症対策を行っています。
ちなみに、チェコ共和国とドイツの大きく違うところは、「マスク着用義務なし」という事です。
もちろん、つけたい方はつけても構いませんし、ホテルなどで従業員にそのように指導している場所はスタッフが着用している場所もあると思いますが、ホテルスタッフもウェイターも、もっと言えばこのビール工場のツアーガイドさんもマスクはしていませんでした。
※公共交通機関を利用する場合にはチェコでもマスク着用が義務、また他人と1.5mの距離が確保できない場合にはマスク着用が推奨されています(情報は常に更新されるので、詳細はチェコ共和国日本大使館HPなどで確認してください)
私は日本人なので、今盛んに議論されているマスクについての事は冷静な目で見ていますが、確実に以前の生活と変わってしまった事は否定できません。
ですから、チェコで過ごした数日間は、おそらく、今年に入って初めてそしておそらく最後であろう、まったくもってコロナ禍以前と変わらず、自然体で観光やショッピングを楽しめるものでした。
ちなみに、チェコ共和国は欧州でもかなり早い段階で国境をすべて封鎖し、外出制限やマスクの着用義務化などの対策をを行い、医療機関でのベッド数の十分な確保も行われているとの事です。
ドイツでの生活に慣れていると、始めはチェコの「普通な生活」に少し恐怖も感じましたが(ホテルでいまだにビュッフェを採用している場所もありました!驚)、「これが今までの生活だったんだよなあ・・・パンデミックだから当たり前だけどこの感覚に戻るのはいつになるんだろう?!」とも感じました。
ピルスナーの元祖「ピルスナーウルケル」って何?
ビールが好きなあなたならば多かれ少なかれ「ピルスナー」という黄金に輝くビールの名称を知っている事でしょう。
また、チェコ共和国は世界で一番ビールの消費量が多いことでも知られていますから、チェコ人のビール愛は半端なものではありません。
「ピルスナーウルケル(Pilsner Urquell)」ブランドは、チェコ共和国の「プルゼニ(ピルゼン)」で生産されている喉ごしの良いビールのことで、世界で初めてこの「ピルスナー」というスタイルの淡い色のラガービールを生産した醸造所として知られています。
生産を開始したのは1842年で、「ピルスナー」というビールの種類の名称は、この土地の名前から来ているんですね・・・すごい歴史です。
日本では1853年に黒船来航と言う歴史がありますので、黒船がくる以前からこの地でビールの生産がおこなわれていたことになります。
また、ビール醸造に使用している原材料は、創業当時とまったく変わっていないとの事!驚
ツアーガイドさんによると、もともと神聖ローマ帝国時代に「この地に良い水があるから街をつくろう」となったらしい・・・いやースゴイ先見の目!
ピルスナーウルケル(Pilsner Urquell)の名前は、日本語だと「元祖ピルスナー」を意味し、名実ともにピルスナーの元祖生産者であり、世界で最も美味しいピルスナービールであると言えるでしょう。
Wikipediaによると、
ラガースタイルのビールの醸造方法の基礎となっている。1842年10月5日、プルゼニ市民が設立したビール会社 Bürgerbrauerei が雇ったドイツ人ヨーゼフ・グロルが初めてピルスナー・ウルケルを生産した。一説には従来から作っていたビールを仕込もうとして、醸造が失敗して偶然作られたとされる。
ツアーの中の説明で、「これ、なんかチェコ人ぽい・・・」と思ったのは、当時このビール会社は、良い原材料があるにもかかわらず美味しいビールを作ることができなかったため、当時のバイエルン王国・現ドイツのヨーゼフ・グロルを雇うのですが、失敗により偶然生まれた黄金色に輝く新しいビールのスタイルが市場に受け入れられ成功すると、彼を継続して雇うコストが高すぎたので解雇した・・・というモノでした(笑)
なお、最近日本のアサヒGHDにより、ピルスナーウルケルブランドが買収されたことにより、日本でもピルスナーウルケルが飲める場所が増えているようです。逆にアサヒスーパードライをドイツで見かける機会も増え、日本人としては嬉しい^^
チェコへ行ったら絶対に飲むべき注目の「タンクビア」とは?
ピルスナーウルケルは、新たなビールのアプローチを生み出しました。
それが「タンクビア」です!
ピルゼン市内、またはあまり遠くへ行かない場合には、レストランやバーなどでこのピルスナーウルケルの「タンクビア」を堪能することができます。
「タンクビア」は、専門のタンクで厳しく品質管理・保存されているフレッシュなピルスナービールの事で、さすがにあまりビール通でない私でもスイスイと美味しく飲めちゃう美味しいビール。
3~4年ほど前からこの「タンクビア」のアイディアがヨーロッパで空前のブームを生み出したという記事まで出たほどです。
では、なぜ「タンクビア」が美味しいのか?
それは、タンクビアは醸造所から直接運ばれ、低温殺菌プロセスを経て温度管理されたトラックですぐに輸送される品質管理が徹底された超新鮮なビールだから。
「タンクビア」は、数時間以内に醸造所から輸送されお店に運ばれるので新鮮なのです。
ビール大好きなはねうさ夫は「このタンクビアを飲んだら、もう普通の瓶ビールは飲めない!」と言うくらい大絶賛のおいしさですので、工場見学以外でもおいしいピルスナーウルケルを堪能することができますよ!
ちなみにツアーガイドさんから教えていただいたのですが、ビールを飲む過程でグラス内に「泡のリング」がつくものが「美味しくて良いビールの証」なんだそうです!
ピルゼン観光で絶対に行くべき場所「ピルスナーウルケル工場見学」
さて、本題です。
実は今回「ピルゼン」への観光は2度目です。
ドイツからは車で比較的スムーズにいくことができるので、前回ははねうさ夫の仕事のついでに立ち寄り、世界で3番目に大きいシナゴークを見たり、マルクト広場や教会を観光しました。
※シナゴークはコロナウイルスの影響で臨時休業中でした
今回もこのピルゼンを通過するので、「ランチを食べてちょっと観光する?」と、はねうさ夫から提案されたのですが、「ピルゼンはもう大体見ちゃったしなあ・・・あまり気が乗らない・・・ほかに観光する場所あるのかな?」と、インターネットを見たところ、なんと「ピルゼンに来るなら、ピルスナーウルケルの工場へ絶対くべし!」とあり、トリップアドバイザーでも「ピルゼンのトップサイト」とありました。
「工場見学」「工場ツアー」と聞いて、はねうさ夫は、始めはしぶしぶ賛同していましたが、結果としては2人とも大満足なツアーでした。※「工場」「ホームセンター」などが嫌いな夫・・・
以前からそうなのかはわかりませんが、現在はインターネットでしか事前予約できないという事で、ネットで事前予約をし、Eチケットを印刷して持参しました。
ツアーは、チェコ語が1時間毎、ドイツ語が1日1回(週末は2回)、英語が1日2回(週末は3回)ありました。
ツアーの内容はビール作りを体験できる3時間ほどのワークショップのようなものから、オリジナルの醸造セラーと現代のステンレスタンクの製造工場などをめぐる一般的な工場見学までいくつかあるので、自分が興味あるものを選ぶといいと思います。
私達は、初めての訪問という事、時間的に次の街へ移動する予定だったことなどから、80分の英語の一般工場ツアーを事前予約しました。
コロナ前は100分のツアーだったようなのですが、現在はボトリング工程を見学したり、水をくみあげている塔の見学は省略されていました。
ツアー最大人数は30人とのことで「コロナ状況下でもなかなかの人数だなあ」と思いましたが、実際の参加者数も30人近くいたと思います。大人気ですね!
人生で一番おいしかったビール!工場見学の最後にサンプルビールが飲める
私達が予約した英語ツアーは、14:30からでしたので、市内でランチを取ってから、ピルスナーウルケルの工場まで車で移動しました。
20分前くらいに到着したのですが、まず、ビール工場なのにとても素敵な門構えに心躍ります(以下写真)。
敷地内には、ビールが飲めるバーが併設されたレストランもあり、こちらでチェコの郷土料理などをいただくこともできます。
プラハからのツアーなどでは、こちらのレストランに立ち寄ることもあるようですね。
私達はビールの価格をチェック・・・(笑)
こちらのビールを飲んでいないので、他のレストランやバーで飲むのとどのくらい鮮度が違うのかは不明ですが、街のパブやレストランよりも強気な価格設定でした。
いよいよインフォメーションが併設されている施設内へ行き、窓口でチケットを見せると、18歳以上であるかどうかの年齢確認があり、確認されるとチケットにスタンプを押してくれます。
ホールで待機するように言われ、14:30に若い女性のツアーガイドさんがやってきてツアーがスタートしました。
ツアー内容は、
- ピルスナーウルケルの簡単な歴史や概要、当時のVIPゲストがビール用に使用したボヘミアングラスのカップや数々の貴重な品物の説明
- エレベーターに乗って、別の建物へ移動し、ビール製造の基本的な情報
- ビールの原材料の説明、なぜピルスナーウルケルのビールが美味しいのか
- 品質管理の説明
- 当時の工場で使用していたタンク等を見学
- 地下へ移動し、貯蔵庫であるオリジナルのビールセラーの見学
- 当時どのようにビールを木樽で保管していたかなどの説明
- 最後にこのツアーでしかいただけない「当時の製法により木樽で保存した無濾過のピルスナービール」のテイスティング
- ギフトショップへの案内
で、終了した。
私はそんなにビール大好き!な人出はありませんが、このツアーで飲んだ、これぞ本物の「樽生」ピルスナービールが、人生で一番おいしかったビールです。
あの木樽のビールをもう一度飲みたいなあ・・・(笑)
以下写真の様な感じで木樽にビールが入っているのが見えます。
ツアーでは、マイスターの様なおじさんがいきなり現れ、正真正銘本物の樽生ビールを1人ずつグラスに注いてくれて試飲できるのですが、はねうさ夫は車を運転する必要があったので、「グラス1つでで良いです」と言って断ったのです。
自分がグラス2杯も飲めるとは想像できなかったのですが・・・飲んだ後に「なんで2グラス貰わなかったんだ!?」とめちゃくちゃ後悔しました・・・。(飲み切れなかった人にはバケツも用意されています)
ギフトショップはビール工場見学のもう一つの楽しみ
工場見学の後はギフトショップへ行きました。
最近、はねうさ夫が、ピルスナー用のビールグラスを2つ割ってしまったので、「ピルスナーウルケルの工場へ行ったらビアマグを買おう!」と予定していました。
大きいサイズから小さいサイズまであり、グラスに持ち手がついているので持ちやすいですし、洗いやすいです。
いつかまた日本から我が家にゲストが来た時を夢見て、4つのビアマグを購入しました^^
ギフトショップでは、ビールを買うこともできますし、ピルスナーウルケルのロゴマークをあしらったTシャツやパーカーなどもありました。
ある棚をふと見ると、何やら日本語が目に飛び込んできました。
「チェコ共和国」と日本語で書いてあり、その上に「大セール」の文字が・・・。
そうです、ピルスナーウルケル社は、2020年の東京オリンピックの公式スポンサーなようで、日本からの観光客やスポーツファンに向けた一通りの商品を準備していたようです。
棚にひっそりと置かれた可哀そうなTシャツやバッグ、キャップなどのお土産たち・・・少し悲しくなりました。
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ピルスナーウルケル醸造所の場所と注意点
ピルスナーウルケル醸造所へは、旧市街地からは徒歩で約15分ほど。
レンタカーや自家用車で行く方は、工場横に無料の駐車スペースがあるので、そこに駐車することも可能です(もしかしたら今回私たちはあまりツアー客がいなかったので運よく停めることができただけかもしれませんが)
プラハからはバスで約1時間半、Regiojetと呼ばれる電車で1時間だそうですので、日本からプラハ入りしてピルゼンまで移動するのは問題ないと思います。
ツアーに参加する時の注意点として、以下2点があります。
・必ず長袖の上着を持って行くこと
・ツアーが始まるまでに18歳以上である証明スタンプを押してもらう事
ツアーの後半には、地下の貯蔵庫へ案内されます。約20分くらいは貯蔵庫にいます。
当然ですが、冷蔵庫などない当時に使用されていた貯蔵庫ですので気温がかなり低いです。
始めは「なんだ少しひんやりするくらいじゃん!」と思いますが、時間が経ってくると寒くなりますので、必ず長袖のジャケットやカーディガン等の上着を用意しましょう!
受付でも、「ジャケットを持ってきているならツアーに持参するように」と注意を受け、駐車場まで戻って取りに行きましたが、正解でした!
いつも高体温のゲルマンの血100%?!はねうさ夫は、上着を持って行きませんでしたが、最後は寒そうでしたね。
●Pilsner Urquell Brewery(ピルスナーウルケル醸造所)
ツアー公式WEBページはこちら
所在地: U Prazdroje 7, 301 00 Plzeň 3, Czech Republic
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