こんにちは!はねうさぎです(@haneusagi_com)です。
南ドイツの可愛い街、バンベルク(Bamberg)。
私が住んでいるバイエルン州には「ドイツと言えばこんなイメージ!」という小さなかわいい町が点在しています。
今日はバイエルン州の北東、「オーバーフランケンOberfranken(※オーバーというのはドイツ語でUpperを意味しています)」地方に位置しているビールの街バンベルク(Bamberg)をご紹介したいと思います。
第二次大戦の戦火を奇跡的に逃れ、無傷に保存された歴史的なバンベルクの旧市街地は、1993年にユネスコ世界遺産に登録されました。
ビールが苦手でも楽しめますよ!
ドイツの古都バンベルクについて
フランクフルトからバンベルクへは、ドイツの新幹線ICEで約2時間15分かかり、途中のヴュルツブルクで乗り換えが必要です。
ミュンヘンからは、ドイツの新幹線ICEで約1時間45分、ニュルンベルクから約30分、ミュンヘンから約1時間45分。(詳しくはドイツ鉄道のサイトで確認してください。)
バンベルクの歴史は古く、1007年、後に神聖ローマ皇帝となるハインリヒ2世が、この地に司教座を置き、キリスト教の町として発展しました。
1000年以上の歴史がある古都バンベルクは、中世からの立派な大聖堂や美しい修道院、教会などが沢山残っています。
メルヘン感いっぱいのオレンジ色の屋根で統一された旧市街には、地元特産のビールやワイン、シュナップスを販売するお店や、木細工の人形やクリスマスオーナメントなどのお土産屋さんもあるので、ウィンドーショッピングしながらの街歩きも楽しめます。
また、かつて漁師たちが暮らしていたという、川沿いのカラフルな木組みの家々が今も保存されており、「小さなヴェネチア(リトルベニス)」と呼ばれています。
リトルベニスは結構いろんなところにありますね・・・(笑)
バンベルクの人口は7万人程度。
このような小さな町でありながら、市街地には10軒の醸造所があります。
バンベルク周辺のオーバーフランケン地方は、ドイツ有数のホップの産地で、車で走ると広大なホップ畑を臨むことができます。
このような周辺環境と、中世の修道院ではビールつくりが盛んであったことから、バンベルクでは古くからビール造りが盛んなのです。
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ビールの話の前に、簡単に街の見所をご紹介したいと思います。
バンベルク旧市庁舎
バンベルクのガイドパンフレットなどの表紙でよく見かける「旧市庁舎」。
川の真ん中に建てられており、2つの橋で両岸がつながれています。これは司教と市民の領域の間に立つ「中立」を意味しているのだとか。
川には数本の橋が架かっているので、橋を渡って色々な角度から旧市庁舎を眺めることができます。
この旧市庁舎が川の真ん中に建っているので、見る角度によっては建物が浮いているかのように見えます。
なんであのような形になったのかは謎ですが、バンベルクに来たらビール以外にも、旧市庁舎を橋から眺めるのはお勧めです。
ドイツ鉄道のバンバルク駅から歩いてくると、この旧市庁舎が門構えのように見え、建物を通り抜けると旧市街地に入る、といったイメージ。
旧市庁舎の横にかかっているリトルベニス側の橋は、なんだか新しいコンクリート作りのようだったので、戦火を逃れたという割には謎だと思っていたら、第二次大戦の直後に敗戦によって出された命令により橋が破壊されたとのこと。(橋にドイツ語で説明が書かれています)
美しい姿だったのだと憶測できますが、その歴史的建造物を自国軍によって破壊しなければいけなかったというのはなんだか悲しいです。
リトルベニス(左)と旧市庁舎(右)
バンベルク大聖堂(聖ゲオルク大聖堂)(Bamberger Dom)
ドイツのキリスト教上、最も有名な建造物の一つと言われている聖ゲオルク大聖堂。
1012年、当時の皇帝であったハインリッヒ2世によって建造されましたが、2回の火災で大聖堂の内部は完全に焼失。1237年に、より大規模な現在の大聖堂が建設されました。
内装は、17世紀ではバロック様式だったのですが、その後ロマネスク様式の設備が取り付けられ、現在でもロマネスク様式の内装が見られます。
入り口すぐの場所に飾られた「バンベルクの騎士」と呼ばれる彫刻は、13世紀につくられたものでありながら、美しい姿が保たれています。
入場は無料で、5月から10月までの土曜日12時には、オルガンのコンサート(演奏)があるようです。
私が行ったのは日曜日でしたので、残念ながら聞くことはできませんでしたが、パイプオルガンの装飾も素晴らしく、見ごたえがありました。
旧宮殿 (Alte Hofhaltung)
大聖堂の目の前にあり1591年に、バンベルグ伯の旧邸宅の敷地にゴシック様式で建てられ新宮殿が建設されるまで司教の居館となった場所。
木造の回廊が広い中庭を囲い、ちょっとした日本の古い伝統ある神社にいるような気分になりました。回廊のテラスには赤い花が綺麗に飾られていて、現在はバンベルクの歴史博物館となっています。
バンベルク新宮殿のバラ園(Rose Garden at the New Residenz)
ちょうど私たちが行った時には「バラ祭り」が開催中で、様々なバラが咲き乱れていました。
バラ園からの眺めもよく、美しいバラを見ながらいい香りに包まれて市街地を眺めることができます。
テラス席のあるカフェが併設されていますのでそこでコーヒーを飲むのがオススメ。
ただ、私の友達が薔薇アレルギーとのことで、お庭での休憩はあきらめました。泣
※、なお、バンベルク大聖堂と丘の上に立つSt. Michael’s Churchは修復工事中でした。数年のプロジェクトと思われるので、今後行ってみたい方は工事中であることを念頭に入れてから観光すると良いと思います。
バンベルクへ行ったら絶対に飲みたい!バンベルクの燻製ビール
バンベルクには「ラオホビア(Rauchbier)」という名物ビールがあります。
その名の通り煙(Rauch)のビールを意味しています。
強いスモーク香は、焦げたナッツやトーストのような香ばしさと、深煎りしたコーヒー豆のようなオイリーさ、スパイスのような香りも感じるビールです。
常時ラオホビアを醸造しているのは、シュレンケルラ醸造所とシュペツィアル醸造所。
特に創業1678年の歴史を誇るシュレンケルラは、妥協を許さない伝統的な醸造法を守っており、そのビールへの評価が非常に高いことでも有名です。
シュレンケルラのラオホビアの特徴は、パンチの効いたスモーク香。ビールの原料となる麦芽を造るには、大麦を水に浸して少し芽が出てきたところで温風などを当てて乾燥させるのが一般的ですが、シュレンケルラではブナの木を燃やして麦芽を乾燥させているそうです。
なお、薪は地元フランケンの森から切り出したブナの木を3年間寝かせて乾燥させたものを使うという徹底したこだわりを持っています。
直火で24時間以上掛けてじっくりと麦芽を燻す過程で煙の香りを麦芽に移し、独特の味と香りをつくり上げています。
旧市庁舎近くの直営レストランには世界中からビールファンが訪れます。
店内はいくつかの小部屋に分かれており、ビールだけでなく地元料理を味わうことができます。
日本でもシュレンケラの瓶ビールを購入することができるようですが、直営レストランでは鮮度や風味を損なわないようにということで、ウェイターが樽の注ぎ口から直接ビールを注いでくれるのもビールファンにはたまりません。
営業時間などは直接お問い合わせください。
〇シュレンケルラ直営レストラン公式サイト
https://www.schlenkerla.de/indexe.html
燻製ビールはアルコール度数も高めなのと、強烈な風味があるため、好みがわかれるところだと思います。
ちなみに私は、今回バンベルク訪問は2回目で、以前訪れたときにラオホビアを飲んでから観光したのですが、足が重かったので、今回は別のビールを飲みました。
ランチでラオホビアを飲んでから大聖堂などを観光しようと考えている方がいれば、「先に観光→その後ラオホビア」を強くお勧めします!
ちなみに、今回私たちは時間の関係で行けなかったのですが、バンベルクの街の丘の上にある「フランケンビール醸造博物館」では、実際にビールが作られていた地下室が展示室となっており、手作りしていた中世のビールから現代のハイテクビールに至るまで、ビールの歴史を見ることができるようです。
〇Franconian Brewery Museum公式サイト
http://www.brauereimuseum.de/en/
バンベルクのオススメパブ
バンベルクにはたくさんのパブがありますが、このZum Sternlaというお店はユニークな上に雰囲気も良く、料理もおいしかったのでご紹介しようと思います。
〇Zum Sternla公式サイト(ドイツ語のみ)
http://sternla.de/
1380年創業のバンベルク最古のゲストハウスと言われており、中庭にレストランがあります。
通りからはレストランが見えにくいのですが、入り口を通り抜けると(おそらく内部レストランは夏場は営業していないようです)中庭のようなスペースがあり、そこにシートがありますので、ビールを飲みながら地元フランケン料理を味わうことができます。
その日のスペシャルメニューは壁の黒板に書かれていました。
黒板のメニューは季節料理だったり(春なら白アスパラガスのスープ、夏時期ならアンズダケを使ったパスタなど)その時期しか食べられない料理だったりするので、チェックしてみると良いと思います。
ウエイトレスは、全員かどうかはわかりませんが、多少英語が喋れました。
面白いのは、メニューが、少し厚めの紙2つ折りのニュースレターのような形式になっていて、フランケン地方の方言の解説や、地元ビールの説明などがメニューと一緒に掲載されていてとても興味深かったです。もちろんこのニュースレターのようなメニューはお持ち帰りもできます。
メニュー内容の表記の仕方もとてもユニーク。
ピンク色のヘッドラインはオーバーフランケン地方の方言表記、その下に黒文字で一般的なドイツ語表記となっていました。
例えばキッズミールは「Für unsere Kinder」(黒文字)が「Füä unsära Kinnä」(ピンク文字)になっていました。
ドイツ語について語りながら、またビールや地元料理について語りながら楽しい時間を過ごすことができます。
私たちは4人で行きましたが、4人とも別の食事を注文し、食べ比べてみましたがどれもおいしかったのでお勧めです!
このようなパブレストランはバンベルクのいたるところにあるので、食事はしなくとも飲み物だけの注文でも対応してくれるので、何軒かポッピングしてみるのも楽しいと思います。
観光もビールも楽しめるバンベルク。
中世から続く古都でその当時から続くビールを飲めば、タイムスリップした感覚を味わえるかも?!
ぜひ、バンベルクに行ったらおいしいビールを堪能してみてください!
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