リトアニアで日本人必訪の街カウナス:杉原千畝記念館訪問記

カウナスの杉原記念館

こんにちは!はねうさぎ(@haneusagi_com)です。

カウナスは、リトアニアの旧首都であり、美しい風景と歴史に満ちた街で、特に「命のビザ」で有名な杉原千畝の記念館は必訪。

この記事では、リトアニアのカウナスと、杉原千畝記念館の訪問記をご紹介します。

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目次

リトアニアのカウナスとおすすめの観光スポット

「リトアニアに行ったらカウナスには絶対に行きたい!」いや、日本人なら「訪問はほぼ義務」くらいに考えていたカウナスの街ですが、クライペダ観光を追加してしまい、結果論としてはヴィリニュスに2泊して、そのうちの1日をヴィリニュスからカウナスへの日帰り観光という事になりました。

ですので非常に駆け足でのカウナス観光となってしまったのですが、杉原千畝記念館以外にもカウナスにはいくつかの観光スポットがありますので簡単にご紹介したいと思います。(次回の自分へのアドバイスも含め)

カウナスは、リトアニア第2の都市で、ソ連邦併合以前はリトアニアの首都でした。

人口は約355,550人で、リトアニアのほぼ中央に位置し、ネムナス川とニャリス川の合流点にある市の中心部は歴史的な町並で有名です。

聖ピーター&パウロ教会(Kaunas Cathedral Basilica)

©Wikipedia参照

聖ピーター&パウロ教会は、中世の雰囲気漂う旧市街にあります。

市庁舎広場の東に位置しており、翼廊のない3つの通路を持つ赤レンガ造りの大聖堂です。

大聖堂は、1410 年頃にゴシック様式で建設され、戦争や火災の被害を受けて何世紀にもわたって何度か変更されました。

内部柱の文様が美しく、フレスコ画と聖体の展示もあり、貴重な調度品は、特にバロック時代の貿易都市の繁栄を反映しています。

ライスヴェス通り(Laisvės alėja)

©haneusagi.com

カウナスの旧市街地のメインストリートで、ショッピングやカフェ、レストランで賑わっています。

特に私が行った日は夏も終わりと言うのに暑かったので、通りにある噴水周辺で遊ぶ子供達や、テラス席に座ってアイスを食べる人、カクテルやお茶しながらテラス席でおしゃべりする人たちで賑わっていました。

ヨーロッパの街の雰囲気を感じることができます。

聖ミカエル教会(Church of St. Michael the Archangel, Kaunas)

©haneusagi.com

ライスヴェス通りにあるネオ・ビザンティン建築のローマ・カトリック教会で、最大の高さ50メートル、真っ白な外壁が目に飛び込んでくる美しい建物です。

通称ソボラスと言われ、この教会はもともとロシア正教の教会として (当時のロシア帝国で) 建てられたものであり、カトリック教会としては異例な建築様式となっています。

第一次世界大戦中は、ドイツ軍兵士のためのルーテル礼拝もここで行われましたが、戦争の終わりに、教会は(カトリックの)リトアニア軍に引き渡されました。

第一次世界大戦後、教会はカトリック教会となりました。

カウナス城(Kaunas Castle)

©Wikipedia参照

ネムナス川にそびえるカウナス城は、14世紀に建てられた中世の城です。

城内には歴史博物館があります。

カウナス城は14世紀初頭に建設され、その後何度か改修が行われました。リトアニア大公国時代には、国の要塞として機能しました。

現在、カウナス城内には歴史博物館があり、リトアニアの歴史や文化に関する展示が行われています。

博物館では、中世のカウナスの姿や城の重要性について学ぶことができます。

チケットなどの詳細は、公式ホームページをご覧ください。

パジャイスリス修道院と教会群(Pažaislis Monastery and the Church of the Visitation

©Augustas Didžgalvis

パジャイスリス修道院は、カウナスの郊外に位置しており、徒歩では移動が難しいですが、修道院はバロック様式の建築と美しい庭園があります。

パジャイスリス修道院と教会群は、リトアニア最大の修道院群で、国内で最も有名なバロック建築の建物。教会は、旧リトアニア大公国で最も大理石装飾が施された教会としても知られています。

修道院は、リトアニアの文化財およびカトリック巡礼地に指定されています。

橋の上から街のパノラマを楽しむ

©haneusagi.com

カウナスにはいくつかの橋があり、その上からは街のパノラマを楽しむことができます。

例えば、ライスヴェス通りから少し川の方へ向かって歩くとすぐにSimonas Daukantas橋が現れ、街の景色や川沿いの景色を楽しむことができます。

周辺に河川敷、遊歩道、公園もあるので、街歩きの際に、合わせて川にかかっている橋をチェックしてみると面白いと思います。

Atomic KGB Bunker Museum

参照:Visit Kaunas

近年、カウナス郊外の人気スポットとなっている、Atomic KGB Bunkerは、ユニークな軍事博物館です。

博物館は旧ソ連時代のBunkerと呼ばれる核シェルターを改装し、さまざまな記念品が展示されています。

ちなみに、KGBとは1954年から1991年のソビエト連邦の崩壊まで存在したソ連のスパイ活動・情報機関・秘密警察のことで、軍の監視や国境警備も担当していました。

公式HP:https://visit.kaunas.lt/en/

地下6メートルにある地下壕の中に作られた博物館で、大人、子供、馬用のガスマスクの展示など1200点以上の珍しい個人コレクションは世界でもここだけでしか見る事ができないと言われています。

展示品は、放射線測定器、民間防護装置、移動式化学実験室、閉鎖式呼吸装置、潜水装置、民間防衛医療機器・器具、発電機、空気圧縮機、各種ポータブル投光器など様々。

歴史好き、軍事ガジェット系が好きな方はぜひ足を運んでみてください。

ホテル・メトロポリス(Hotel Metropolis)

©haneusagi.com

杉原千畝が現在記念館となっている、当時の日本大使館から避難して宿泊していたホテルが「メトロポリス(Hotel Metropolis)」です。

第二次世界大戦で、自分の身の上も危うい状態になったにもかかわらず、さらに腱鞘炎になりながらも命のビザを書いて発行した(当時のビザは外交官の手書き)ホテルという感慨深い歴史的背景があるホテルです。

外の壁にプレートもありました。

©haneusagi.com

私は、杉原千畝記念館を訪問した後にランチを食べて、その後こちらのホテルに来てみました。

宿泊はしていませんが、自由にロビーに入ることができ、写真撮影もしました。

ホテルの方はそんな日本人に慣れているようでガン無視というか放置プレイで、私は心行くまで写真を撮りまくりました(笑)

ホテルの入り口横の壁には記念のパネル、ロビーにも写真などが飾ってありました。

©haneusagi.com

杉原千畝記念館と合わせて、杉原千畝の足跡を追う旅のスポットとして実際に訪れてみて、感慨深かったです。

以下は宿泊者のコメントの一つです。

リトアニア大使館が閉鎖後杉原千畝氏が1週間ほど滞在しここでもビザを発行し続けた歴史のあるホテルです。建物も当時のままで歴史を感じることができます。建物の外壁に杉原氏の功績も記してあるので宿泊しない方も訪れてみてください。
☆以下は宿泊しての感想です
・場所はカウナスの中心部でとても良い場所です。周囲に飲食店も豊富です。
・部屋は広めで開放感もあります。また、繁華街に面しているものの静かで落ち着けました。
・シャワールームは建物が古いからか、お湯が出るまで少し時間がかかりました。

個人的には階段のステンドグラスが綺麗だと感じました。杉原氏以外にもさまざまな歴史が詰まっているホテルだということをレトロな建物から感じることができます。(Trip Adviser より)

©haneusagi.com

ホテルメトロポリスBooking.comのサイトはこちら

杉原千畝記念館 (Diplomats for Life/ Sugihara House)

©haneusagi.com

杉原千畝記念館は、リトアニアのカウナスに位置する博物館で、当時日本大使館の外交官であった杉原千畝の業績を称えるために建設されました。

記念館は、旧日本領事館の建物を改装してそのまま使用しており、当時、二階部分には、杉原とその家族が生活していた場所でもあったと言います。

旧市街地からは離れている小高い丘の住宅地にあるので、「なんだか普通の住宅地にいきなり現れた博物館」という印象で興味深かったのですが、博物館の展示内容に、当時のカウナスの日本以外の各国大使館の位置情報が見れるので、なんとなく日本(と言う国)大使館の位置づけを感じ取れるのではないかと思います。

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現在は、「杉原ハウス」とは言わず、地図上では「Diplomats for Life」と表示されています。

杉原千畝以外の外交官のストーリーや、リトアニアの歴史的な内容展示、第二次世界大戦中のユダヤ人の迫害に関する内容が展示されており、日本人以外をターゲットにシフトしていきたいであろう博物館の意思を感じました。

と、いうのも訪問者の8割は日本人観光客らしく、コロナ禍、そしてウクライナ戦争(これは意味不明ですが日本人なぜ?)の影響で訪問する日本人が減っているそうなので、改装を進めていると「「日本のおかげでコロナ禍を生き延びた」 リトアニアにある杉原千畝の記念館が進める改装の中身」の記事で読みました。

博物館の方のお話では、観光客以外では、カウナス市内の学校の社会見学的な目的で、子供達がリトアニアの歴史を学ぶ場所として利用されているとの事でした。

「命のビザ」とは

©haneusagi.com

「命のビザ」とは、日本の外交官である杉原千畝(すぎはら ちうぬ)が第二次世界大戦中にリトアニアで行った人道的な行為に関連しています。

杉原はユダヤ人の戦争難民にビザを発行し、彼らをナチスによるホロコーストから救おうとしたことで知られています。

杉原千畝は、1940年から1945年までリトアニアに日本の領事として勤務していました。

彼の任務は、当初はビザ発行業務や日本とリトアニアの外交関係の維持でした。

第二次世界大戦中、ナチス・ドイツがユダヤ人に対する迫害を強化し、彼らを強制収容所に送るなどの残酷な行為が行われていたため、ユダヤ人たちは生命の危険にさらされていました。

そんな中、この博物館のある旧日本領事館に日本の「通過ビザ」を求めて沢山のユダヤ人が押し寄せ、杉原千畝は、ユダヤ人戦争難民に日本の通過ビザを発行することで、ナチスから逃れる手助けを行いました。

日本の通過ビザがあれば、シベリア鉄道に乗ってその後日本へ渡り、日本から別の国(中国、アメリカ、南米など)へ逃げる事ができたのです。(その地図なども展示されています)

実は、これは当時の国際法や外交慣習に反していたため(日本は当時ドイツと同盟関係)、彼の行為は非常に危険であったと考えられています。

杉原千畝はおそらく数千人のユダヤ人難民にビザを発行したとされており、「東洋のシンドラー」と呼ばれています。

これにより、多くの人々がナチスの迫害から逃れ、生命を守ることができました。

実は、杉原千畝の行為は当初、公には知られていなかったと言いますが、戦後、彼の人道的な行為が評価され、1985年にイスラエルで「正義の人」に認定されました。

その後も世界中で彼の行為への称賛が続き、杉原千畝記念館や文学作品、映画などでその勇気ある行動が称えられています。

カウナスの杉原千畝記念館の展示内容

実際にビザを書いていたと言う杉原の執務室 ©haneusagi.com

個人的に、杉原千畝の展示がほとんどを占めるのかと思っていたのですが、同じような人道的な行動をした他の国の外交官に関わる展示や、リトアニアの歴史、人物、ホロコーストとユダヤ人迫害が行われていた歴史と写真の展示、そして、当時人道的な理由でユダヤ人をかくまった勇気ある人々の展示などがありました。

©haneusagi.com

「スギハラ・サバイバー」のインタビューなどを盛り込んだビデオも見ることができます(日本語字幕あり)。

©haneusagi.com

正直に言うと、ユダヤ人迫害に関する展示は、目の当たりにするのがキツかったですが、人間とはこんな残酷なことができ、そして愛や救いを与えるのも同じ人間なのだと実感して、深く考えさせられました。

当時、ユダヤ人をサポートすれば、自分だけでなく親兄弟家族親族の命が危険にさらされ、それを知ってもなお、勇気ある行動がとれるのかどうか?という自問自答をしながら展示を見ました。

※博物館に訪問した時は、イスラエルとハマス問題の前

©haneusagi.com

2階は主に、杉原千畝の人物像や家族にまつわる展示、そして実際にビザを書いていたという執務室に杉原が救ったとされるユダヤ人のリストが展示されていました。

杉原千畝記念館に必要な所要時間

©haneusagi.com

杉原千畝記念館の訪問にかかる所要時間は、個人の興味や館内の展示にかかわる滞在時間によって異なると思いますが、通常、館内の見学には約1〜2時間程度を見積もると良いでしょう。

私が訪問した時は、カウナス市内の学生グループの見学日時とぶつかっていたので、博物館側がビデオを見る時間を調整してくださいました。

リトアニアの歴史や重要人物の展示の部分は、現在ヨーロッパに住んでいる自分でも、少し理解が難しい部分もあったので、事前にリトアニアと隣国の関係、いつの時代にどの国にどんなリーダーがいて、国同士の関係がどんな風だったのか、などの歴史を少し勉強してから見ると、より理解が深まると思います。

©haneusagi.com

展示してある写真などには日本語表記はないのですが、冊子のような日本語翻訳があり、それを読むと結構時間がかかると思います。

私は2時間ほど博物館にいました。

杉原ハウス(SUGIHARA HOUSE)
所在地:Vaižganto g. 30, Kaunas

  • Tel:+370 37 332881
  • Email:sugiharahouse@yahoo.com
  • HP:https://www.sugiharahouse.com/#/en
  • 入館料:大人5ユーロ、子供、学生、シニア2,5ユーロ
  • バーチャルツアーもあり

開館時間:4月~10月
1~V 10:00~17:00
VI–VII 11:00~16:00
11月~3月
I–VI 11:00~15:00

カウナスのバスターミナル/駅から杉原千畝記念館までの行き方

©haneusagi.com

カウナスのバスターミナルと駅は比較的近いです。

私は、行きはヴィリニュスからバスを利用し、帰りはカウナス駅から電車でヴィリニュスまで戻りました。

カウナスのバスターミナルから杉原千畝記念館までは徒歩で約15分ほど。

バスターミナルは新しく、英語表記もあるのでわかりやすいです。

©haneusagi.com

カウナス駅から杉原記念館までも徒歩約15分ほど(ですが、私は帰りは市街地から戻ったのでバスを利用しました)。

©haneusagi.com

徒歩で行くと、途中で「道ないじゃん?!」と思った場所があったのですが、ある建物にアーチ型の門のようなものがあり、そこにある階段で丘を登っていく感じになります(以下写真)。

右に見えるアーチ型の「入り口」のような場所の階段をのぼって丘の上の道路に行きましょう ©haneusagi.com

地図アプリを使っていく場合には気を付けてください。

>>あわせて読む

https://www.haneusagi.com/travel-lithuania-vilnius-uzupis

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